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【DMM GAMESプレイ日記】 第39回

アメコミとアクションADVを融合した斬新なタイトル

このマンガ、動くぞ!?アメコミ風アクションADV『LIBERATED(リベレイテッド)』プレイレビュー

2021年05月26日 18時00分更新

文● Zenon/ASCII

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●「監視社会」に異議を唱え革命を訴える組織「LIBERATED」

 本作はアクションや謎解きも独特でおもしろいが、やはりなんと言ってもストーリーが重厚で考えさせられるところこそ、最大の魅力的ポイントだろう。

 電子マネーによる買い物履歴からSNSにアップした写真、および言動までが常時システムによって監視。さらに監視カメラによって実際の行動足跡も記録され、プライベートというものがなくなった社会に。

 この作品の世界では、それらの個人情報をCCS(市民信用システム)ネットワークと「テミス」というシステムによって統合し、その人物が信用に値するかを得点づけて「善良」かどうかを判定することで、「安全・安心」な社会を構築しているという。

電車の監視カメラでその人物のSNSを照合し、社会的信用度をジャッジしている場面

ノイズが走って少々読みづらいが、「スキャン失敗」で警告が出ている人物の姿も。彼は「LIBERATED」のメンバーで、意図的にデータを残さないようにしているか、削除・隠蔽したものと思われる

最初の主人公的なキャラクターの名前は「バリー・エドワーズ」。CCSポイントが善良のラインから外れてしまい、管理当局に警告を受けることに。その後、「LIBERATED」のメンバーであるティムの導きで、組織に参加することとなる

 バリーは「LIBERATED」の作戦に参加し、CCS上のあらゆる個人情報を消去することに成功する。そして「LIBERATED」は、あらゆるデバイスを乗っ取って市民へとメッセージを流した。「これはチャンス」だと、「監視社会のない世界を垣間見る」だろうと、「すべてが誘導される世界、自分思い通りに生きれない世界」から脱却する一瞬の機会だと。

演説する「LIBERATED」。この社会は「安心・安全」を建前として人々の自由が束縛された「ハリボテの社会」だと主張する

データを抹消し、メッセージを流したことで一応の目的は達成。しかしメンバー曰く、大衆にこの声は響かず元の生活に戻るだろうとのこと。作戦の狙いは大衆の行動変容ではなく、ほかに革命を望む者たちへ「希望」を届けることだったらしい

 悲劇的なテロ事件によって何も悪くない人々が亡くなってしまったとき、確かに私たちは「なぜ事前に防げなかったのか」と考えるし、監視カメラがとらえた犯人の映像などが後から出た際に「明らかに不審な行動を取っている。ここで自動的に通報できておけば……」などと考えるかもしれない。

 しかしそれを実現した結果、行き過ぎた監視によって「自由」が束縛されてしまうのはまた別の話だ。ましてや本作のなかでは上流階級の人々によって「正しいこと」が歪められてしまっているようで、反乱軍ないし革命軍が現れるのは必然だったのだろう。

 本作は、単純な「善悪」の戦いを描いたものではなく、もっと深い社会的、哲学的なことをプレイヤーに訴えかけ、考えさせるような作品なのだと感じた。

●総評まとめ

 本作は「アメコミアドベンチャー+2.5Dアクションが融合」というキャッチコピーの通り、これまでにない感覚で楽しめる稀有なゲームだ。コマの背景が動くことで臨場感が増し、自分で登場人物を動かせるため、その世界への没入感も通常のマンガの比ではない。

 前述のように、アドベンチャーパートにおける物語の重厚さは間違いなく本作最大の魅力の1つ。「監視社会」というディストピアをテーマに、物語がどう展開するのか、先が気になる作りとなっている。

 アクションパートはただ横スクロールのシューティングというだけではなく、さまざまな謎解きやギミックなどもあるのがおもしろい。たとえ死んでもローディング無しで即復帰できるのは、没入感を損なわないという意味でも非常に評価が高いと言えるだろう。

 また、難易度設定には「プレイヤー」と「読者」の2つがあり、前者だと「3発」攻撃を受けると死ぬが、後者だと「5発」まで耐えられるようになるなど、アクションが苦手な層への配慮も忘れていないのは◎。

難易度設定画面。「読者」では敵に与えるダメージが増え、受けるダメージが減る親切設計に

 唯一気になったところがあるとすれば、選択肢によって展開が分岐する場面をやり直す場合、チャプターの最初から始めなければならない点だ。ページを該当部分まで飛ばすスキップ機能がないのが少々不便に感じた。それこそお気に入りのコミックを名シーンから読むように、途中のページから開く機能があれば、とてもよかったと思う。

 ストーリーは非常にダークでバイオレンスにあふれている内容のため、万人にオススメできるものではないかもしれないが、その表現の独自性は秀逸のひと言。これまでにないアクションアドベンチャーを求めている人、または「ディストピア」「革命」といったキーワードにピンと来る人は、ぜひ本作を手に取ってもらいたい。

(提供:DMM GAMES)

使用画像は発売前のものとなるため、実際のシーンとは異なる可能性があります。予めご了承ください。

【ゲーム情報】

タイトル:LIBERATED(リベレイテッド)
ジャンル:アメコミアクションアドベンチャー
販売:EXNOA LLC(DMM GAMES)
開発:Atomic Wolf、L.INC
プラットフォーム:PC(DMM GAME PLAYER/Steam)/PlayStation 4/Nintendo Switch/Xbox One
発売日:2021年5月27日
価格:
 DMM GAME PLAYER/Steam:2050円(ダウンロード版のみ)
 PlayStation 4/Nintendo Switch/Xbox One:4378円(パッケージ版/ダウンロード版)
プレイ人数:1人
CERO:D(17歳以上対象)
※Xbox Oneは6月中の発売予定
※Xbox Oneはダウンロード版のみ

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