CPUの排熱を調理に使うタキオン・コンロ爆誕

GIGABYTEのマザーZ590 AORUS TACHYONでレッツ・クッキング!

文●林 佑樹(@necamax) 編集●北村/ASCII

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Core i9-11900Kはヒートシンクレスで起動する

 以前に団扇で扇いだ状態ならばヒートシンクレスで起動できることを記した。4年以上前の実験だが、第11世代Coreプロセッサーでもそのまま起動できるだろう。またGIGABYTEは「壊れたときは壊れたときで!」といった懐の広さっぷりだったので、まずはヒートシンクレスでの様子を見ることにした。

 お約束の表記となるが、何が起きようが自己責任になるので真似は推奨しない。どうしてもやりたくなった場合は、使用しなくなった機材でトライしてみるといいだろう。

 ちなみに下の動画は、2016年にテストしたヒートシンクレス起動の様子だ。このときは団扇や扇風機を止めると、即座にシステムダウンしていた。

 ヒートシンクレス運用のため、すべてのコアをブーストする新機能「Adaptive Boost Technology」(ABT)はオフにしている。またBIOS(UEFI)でPL1(Power Limit 1)はデフォルト(Auto)とし、TDP範囲内での動作とした。

 初回はOCトリガースイッチを使用した。これを2に入れていると、CPUクロックを強制的に落とすというもので、もっさりになってもいいからOSを起動させたいときに使用する機能だ。HWiNFO上では800MHzと表示されているが、それにしては動作はカクカクしており、Windowsの起動完了まで数分を必要としたため、それ以下になっていると思われる。

 しばらくアイドルで放置していてもCPU温度は55度ほどとマイルドで、ヒートシンクレスでも起動は問題ない。なお、Core i9-11900Kの力をすべて解き放った状態で起動させようとすると、UEFI読み込み途中でシャットダウンした。

 OCトリガースイッチはOS起動中に1に戻すと本来設定された周波数で動作し始める。1に戻してみたところ、CPU温度は90~95度付近に留まるようになったが、アイドル状態では落ちる気配がない。TjMAXは115度なので、そこまでは至らないため、意外と安定しているといえるだろう。

 ともあれ、どれくらいの時間が経過したら落ちるのかを知りたかったので、CPUに高負荷をかけ続けるツールOCCTを実行した。16スレッドで実行したところ、20分ほどでシャットダウンした。温度は99~100度を維持しており、動作周波数を落としてしきい値を超えないように動くとわかった。

 とはいえ、20分では時間が足りない可能性があるため、次にスレッドを減らした。1スレッドにしてみたところ、温度はやはり100度になるものの、1時間経過しても落ちる気配がない。さらに8スレッドにしてみたが、これも1スレッドのときと同じ傾向であり、長時間の火力としては1スレッドで十分といえる。

テスト中の様子

 次にOCCT時の挙動を詳細に見ると、まず3~4GHzあたりで動作するが、すぐに800MHzにまで落ちていく。保護機能によるものだ。800MHzに入っても100度なのだが、厳密には98~100度間をウロウロしている。またこのとき、団扇であおいでみると、1200MHzにまで上昇するのを確認しており、熱の逃げる先がある程度あれば、継続性のある熱源としての活用が可能だとわかった。また別段OCトリガースイッチを使用しなくても、OSの起動に失敗することもない。

 以上のことから、Core i9-11900KはヒートシンクレスでWindowsの起動とある程度のアプリケーション操作が可能だと判明した。

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