CPUの排熱を調理に使うタキオン・コンロ爆誕

GIGABYTEのマザーZ590 AORUS TACHYONでレッツ・クッキング!

文●林 佑樹(@necamax) 編集●北村/ASCII

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Core i9-11900Kで焼く肉は、美味いのか?

 ヒートスプレッダー表面は100度に近く、炒め物や焼き物などが現実的だ。YouTubeなどで検索してもわかるが、意外とみんなやっていることである。また前述の通りヒートシンクレスでも意外とシステムは落ちないため、火力としても十分なのだが、CPUのヒートスプレッダー面積はそれほど大きくなく、どうしても小さく切った肉片でないとならない。そこで、ミニ鉄板をヒートスプレッダーの上に置いて焼いてみることにした。もう少し大きい肉のほうが絵的に映えるからだ。

 ミニ鉄板は100円ショップで発見したもので、サイズは130×85×2.5mm。ジャストサイズだろうと考えていたが、実際にZ590 AORUS TACHYONに載せてみると、微妙にチップセット用ヒートシンクと干渉した。

チップセット用ヒートシンクを外した状態でミニ鉄板をセットしたところ。チップセットの冷却にはサイズのCPUクーラー「虎徹 MarkII」を載せて対応した

 写真を見てもわかるが、微妙にM.2スロットとも干渉しており、ミニ鉄板は気持ち斜めだ。用意した肉は牛カルビであり、脂がVRMのほうに垂れると確実に故障しそうである。焼けた後に壊れるならばいいが、焼いている途中に壊れると記事作成が面倒になるため、サーマルパッドで高さを稼ぐことにした。

サーマルパッドを載せたところ。写真は3枚だが、調整の結果、2枚で済んだ

ほどよい感じにミニ鉄板をマウントできた。タキオン・コンロ爆誕の瞬間だ

 調理は前段のヒートシンクレスでの起動および負荷テストの結果を採用して、OCCTによる加熱とした。分厚いサーマルパッドを介しているため鉄板の温度は100度には至らないだろうが、肉を焼けるレベルまでは上昇するハズである。

調理開始

こんな感じに100度に張り付いた

調理中の様子。煙が出るので編集部ではなく給湯室で検証している

鉄板の温度がなかなか上昇しないため、暖まるまで眺めているだけだった。肉が分厚すぎたのかもしれない

 加熱開始から1時間ほど経過したところで、微妙に肉が焼けているのだが、鉄板の温度は50度台であり、低温調理にも微妙に届かない状況になった。カルビを裏返すと、CPU動作周波数が800MHzから、しばらくの間1200~2000MHzに上昇するため、熱はちゃんと動いているのだが、なかなか焼けない。サーマルパッドの2枚目を微妙にスライスしてみたが、とくに変化はナシ。直火にでもしないと景気よく焼けないようだ。ともあれ、OSが落ちる気配がないため、そのままさらに2時間ほど加熱し続けてみたが生焼けのままだった。

3時間ほど経過したところのカルビ。微妙に焼けているが食べられるレベルではない

サーモグラフィーのFLIR ONEで計測してみたところ。ちゃんと熱はきているが、カルビ自体の温度は56度付近

カルビがない状態では63度

 もう少し薄い鉄板でないと低温調理すら厳しい状況が続いた。ここでオーバークロックをしようと思ったが、TjMAXのしきい値を攻めるにしても、CPUパッケージ温度は100度を越える様子がないため、上手く焼けないと判断した。そして気がつけば終電を逃していた。なお、余ったカルビは自宅で美味しくいただいた。フライパンは便利だ。

 ヒートシンクレスとカルビ焼きで得られた知見は、ミニ鉄板の温度は65度に到達すればいいほうだということ。しかも、熱の逃げ場がなくなるとTjMAXのしきい値を越えてシャットダウンする。60度付近で調理ができるものであれば加熱が可能なのだが、問題はTjMAXだ。加熱対象が十分な熱を持ち始めるとシャットダウンしてしまうため、継続的な加熱が難しい。

 さらに肉を裏返した際にもクロックが上昇するため、温度管理の難易度が跳ね上がる。一定間隔で材料を追加していけば、全体的な温度上昇を抑えられるが、鍋ならまだしもミニ鉄板ではそれも難しい。

 OCトリガースイッチのオンオフでの火力調整が無難な手段だが、常に温度を監視するのは退屈すぎるうえ、ウマ娘の育成に夢中になり、うっかりシャットダウンさせてしまう自信があった。八方塞がりになってきたのでいったん休憩して、おやつを食べることにした。

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