本連載は、マイクロソフトの「Microsoft 365」に含まれるSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション(以下、アプリ)「Microsoft 365 Apps(Office 365)」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。今回はMicrosoft Teamsの新機能に注目した。
英語のみだが発言内容の書き起こしに対応
Microsoftが米国時間2021年3月31日に公開した[公式ブログ]では、同社イベント「Microsoft Ignite 2021」から抜け落ちたMicrosoft Teamsの新機能について披露した。「Live transcription with speaker attribution(話者のライブ書き起こし)」はオンライン会議主催者が機能を有効にすると、会議の発言内容をテキスト化し、会議動画ファイルと同じようにOneDrive for Businessなどに保存する。同社は「聴覚障害や言語能力が異なるレベルの参加者を包摂し、オンライン会議に遅刻した参加者に対してもトランススクリプトを読むことで(会議の進行内容へ)簡単に追いつける」と利点を強調した。
すでに[公式ドキュメント]でも機能概要や有効方法を解説しているが、別の[公式ブログ]によれば、本機能を利用できるのはMicrosoft 365 E3/E5/Business Standard/Business Premiumのライセンス所有テナントのみ。Microsoft 365 Business Basicなどは対象外となる。また、本発表時点の対応言語は英語のみだが、Microsoftは「フランス語やオランダ語を含む他言語でのライブトランススクリプトに取り組んでいる」と説明し、詳細は近日中に公開するという。
この他にも、Windows版Microsoft Outlookの「予定表」からオンライン会議を実行する機能や、Microsoft Teamsの「カレンダー」に並ぶ「新しい会議」ボタンから会議のURLリンクをコピーし、他のユーザーと共有する機能、電話番号のマスク機能(要Windows PowerShell)などが今後加わる予定だ。クライアントの機能拡充はPCにとどまらず、スマートフォンやタブレットにも広がっている。Androidデバイスは2020年11月にiOSで先行実装した最大20名(タブレットは最大30名)が参加するオンライン会議に対応し、iPad版は自身が登壇者として会議に参加して各機能が利用可能になった。MicrosoftはiPad ProやiPad Airを推奨デバイスとし、iPad 3以前や初代iPad Miniは未サポートとなる。
Microsoft Teams認定デバイスの種類も増えているものの、国内から簡単に入手できないため割愛するが、OneDrive for Businessでアップロード可能なファイルサイズが250GBに拡大したことに伴い、Microsoft Teamsが対応するファイルサイズも250GBまでに引き上げられた。Windows版Microsoft TeamsとMicrosoft Vivaの接続や、チャネルでのファイル共有方法を拡充するなど、細かな部分を含めると枚挙に暇がない。[Microsoft 365 Roadmap]によれば本稿執筆時点で198件の機能実装を予定している。たとえばWindows 10は3件、Microsoft Wordでも8件であること比較すれば、この件数が驚異的であることを理解できるだろう。対面接触がはばかれるコロナ禍において、オンライン会議ツールの重要性が増し、Microsoft社員自身も主たるコミュニケーションツールとして利用していることが大きく影響している。Microsoft Teamsを社内会議やオンライン営業に利用している組織は、今後の機能実装に期待していいだろう。
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