意外と硬い乗り心地
e-Pedalも慣れれば便利
コールド状態でスタートボタンを回すと、景気のよいエンジン音が室内に響き渡ります。最近のクルマは環境性能のためエンジンを早く温めようとしますので、NOTE e-POWERもその例に漏れません。
走り始めて最初に気づいたのが、乗り心地が硬いということ。タイヤがブリジストンのエコピアのためか、縦剛性が高いためか、段差の度にゴツゴツッと角ばった衝撃が伝わってきます。これはエコピアを装着した他車種でも同様の傾向ですので、タイヤに起因するのでしょう。
走行中気になったのは、メーターの反射。太陽光との兼ね合いになりますが、速度計のセグメントLED側はともかく、LCD側が反射して見づらい時がありました。スマホのような低反射の保護フィルムなどがあるといいんですが……。
低速走行時の静かさは流石e-POWERといったところで、ちょっとほかのコンパクトカーとは次元が違う印象。ロードノイズが少ないのも好印象で、街乗りの静寂性は電気自動車に似ています。速度が上がってくると、エンジンが始動してもまったくわからないのですが、低速時にエンジンが始動すると、ステアリングに振動が伝わるほか、音もきちんと聞こえます。静かすぎるゆえに気づいてしまうという贅沢な悩みを経験してしまいました。
e-POWERの動作は、NOMALのほか、エコとSの3モード。そのうちエコとSは、e-Pedalというアクセルペダルだけで加減速できるモードになります。従来のe-Pedal動作はアクセルから足を離すと完全停止できましたが、今回は見送られ、AT車のクリープ現象の状態になります。勝手ながらe-Pedalに乗り慣れた身としては最初だけ「え?」と思いましたが、すぐ慣れました。試乗は基本的にSモードで行なっています。ちなみに燃費ですが、街乗りでリッターあたり26.3kmを記録! これはかなりよいのではないでしょうか?
パワフルな走りはe-POWERらしい太いトルクに支えられたもの。ゼロ発進も中間加速もクルマが意志をもつかのように、前へ前へと進みます。そしてアクセルと加速フィールが一致した気持ちよさも◎。Bセグメントの国産車はCVTミッションを搭載することが多いのですが、エンジン音が先に高まって車速が後から追いつく、ラバーバンドフィールがないことのメリットを強く感じます。
加速が良ければコーナリングもよいのも新型NOTE e-POWERの美質。ワインディング代わりに首都高C1内回りや横羽線を走ってみたのですが、マイルドながらもしっかりとした剛性感は、確かに他社Bセグには感じられなかったもの。たとえばステア中に右側に段差などがあった時でも、ステアが取られることは少ない印象で、安心感がありました。また、パワーユニットそのものが軽いこともあって、クルマがスパッと向きを変えるのも好印象。新型e-POWERの恩恵は、そんなところにもあります。
高速道路といえば、プロパイロット。なんとNissanConnectナビゲーションシステムと連動し、地図情報からあらかじめカーブやジャンクションの大きさを把握して、スムーズに曲がれるように車速をコントロールするというではありませんか。似たシステムとしてスカイライン・ハイブリッドが搭載するプロパイロット 2.0がありますが、あちらは高精度マップを利用し、ハンズオフ運転を可能としていますが、こちらはそこまでは対応していない模様。使ってみると、横羽線などでコーナー前に減速するなど、今までのプロパイロット以上に安心感が高まった印象です。プロパイロットは巡行のみならず、渋滞でも効果的。完全停止しても3秒程度なら自動的に再スタートします。こういった機能を一度使ってしまうと、戻ることができません。プロパイロットの最もよい点は、カンタン操作で使える事。こういった利便性はとてもうれしいものです。
【まとめ】ライバルたちの中でも頭ひとつ飛び出た個性
強力なライバルがひしめくBセグメント・コンパクト試乗において、印象に残る個性と完成度の高さをみせてくれたNOTE e-POWER。この後、ツインモーターの四輪駆動モデルが控えているようで、こちらも愉しみ。そして期待したいのがNISMOグレード。前作のNOTE e-POWER NISMO Sが相当楽しい1台だっただけに、シャーシの良さからも期待が高まります。新型NOTEは、日産グローバル本社ギャラリーで試乗できますので、横浜に足を向けた時はチェックしてみてはいかがでしょう。
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