自然に高品質の音源が聞きたくなる素直な高音質と、極めて自然な空間オーディオ
【AirPods Maxレビュー】iPhoneやiPadで最高の音響体験を求めるなら迷わず買い!
2021年03月10日 12時00分更新
電源スイッチさえ廃した極シンプルな操作系
すでに述べたように、ヘッドフォン本体には操作ボタン類は2つしかない。1つはiPadのトップボタンのような細長い単純なボタンで、「ノイズコントロールボタン」と呼ばれている。これは、押すたびにノイズキャンセリングと外部音取り込みモードなどを切り替える。
もう1つは、Apple Watchのものをそのまま大きくしたようなDigital Crownだ。回転操作では音量をコントロールする。またApple Watch同様押しボタンにもなっていて、1回押すと再生/一時停止の切り替え、2回押すと早送り、3回押すと巻き戻し、のようになっている。これはごく普通の操作性だ。また長押しでSiriを起動することもできる。
このDigital Crownは、デフォルトではちょっと意外な挙動を示す。左に回転すると音量が上がるのだ。これまでに半世紀以上、いろいろな音響装置を使ってきたが、左回転で音量が上がるのは、これは初めてだ。ただし、設定によって「後ろから前へ」を「前から後ろへ」に変更すれば、右回転で音量が上がるようにできるので安心だ。
Macとペアリングして使用する場合、後で述べるように空間オーディオが未サポートになっているなど機能が限られる。そのため、設定可能な項目も少なめだが、Digital Crownの回転方向は選択可能だ。
すでに述べたように電源をオンオフするスイッチはない。ペアリングしたデバイスでオーディオを再生中にAirPods Maxを装着すれば、自動的にヘッドフォンでの再生に切り替わる。また、再生中に本体を頭から外したり、片側のイヤーカップを耳から離すようにすると、再生は一時停止する。頭から外した本体を15秒以内に元に戻せば、再生は再開される。こうした自動的な操作を可能にするために、完全に電源オフにはできないのだろう。それで、持ち運び中だけでも消費電力を抑えるためのカバーが付属しているというわけ。
ただし、バッテリーはノイキャンをオンにした状態でも20時間の再生、通話が可能とされているので、それほど消耗を気にする必要はない。充電を忘れて機能しなくなった場合でも、5分の充電で1.5時間の再生が可能なので、いざというときにも何とかなりそうだ。
充電のためには、イヤーカップの底部にあるLightningコネクターにUSBケーブルを接続する。このLightningコネクターは、純正の「Lightning to 3.5㎜ Audio Jack」ケーブルを使用すれば、アナログのミニステレオジャックに有線接続して音声を再生するのにも使える。コネクターはボタンやDigital Crownと同じ、右側のイヤーカップに付いている。充電には、それでまったく問題ないのだが、有線接続で使おうとすると、特に右利きの人には、かなり邪魔に感じられる。
言うまでもなく、世の中のヘッドフォンでは、片出しケーブルはほとんど例外なく左から出ているもの。別に充電用のコネクターが左にあっても支障はないはずなので、これは2世代めから左に変更したほうが良さそうだ。