Gemini PDA、Cosmo Communicatorとクラムシェル型のQWERTYキーボード搭載スマートフォンを出してきたPlanet Computers。2020年5月にクラウドファンディングで資金調達に成功した「Astro 5G Transformer」の出荷予定時期が来月、2021年3月に迫ってきました。同社初の5Gモデルであり、しかもこれまでの2機種とは異なりスライド式のギミックを備えたAstro 5G Transformerは、現時点でわずかしか製品のないQWERTYキーボード端末として貴重な存在です。
クラウドファンディングによくあることで、このAstro 5G Transformerも出荷時期は当初の3月から6月にずれるとPlanet Computersから出資者に案内がありました。それと同時にAstro 5G Transformerの最終スペックや本体形状も明らかになりました。
まずは本体サイズ。当初は164×76.6×15mmとアナウンスされていましたが、172.4×76.5×17.8mmにサイズアップ。横幅はわずかに狭くなったものの、全長と厚みが増しています。また背面には足が付き、その間にカメラが搭載されますがその部分の厚みは18.7mmとなります。ディスプレーをスライドさせ、それを引き起こすという動きある本体構造だけに、より強固な作りにしたということなのでしょう。なお、重量は当初の予定通り300gで変わっていません。
チップセットの変更はちょっと残念なところ。当初はMediaTekのDimensity 1000が予定されていましたが、Dimensity 800になりました。Snapdragon 800番台から700番台になったようなイメージ。これに伴い、5Gモデム周りも「5G+5Gデュアル待ち受け」から「5G+4G」に、Wi-Fi 6も非対応になりました。コスト面ではなくチップセット入手の都合によるものだそうですが、ここは頑張ってほしかったところ。しかし、一方ではメモリーが6GB→8GBになったのはうれしいですね。
ほかの変更点としては、ディスプレーサイズが6.53型→6.39型と、やはり小さくなっています。ただ有機ELになったので発色は良くなり、表面はゴリラガラス(第3世代)になったので傷の心配も少なくなりました。新型コロナウィルスの影響で材料の仕入れや組み立てる工場の手配も、平常時のようにはいかなくなっていることもあり、このあたりは仕方ないかなと受け入れるしかないと思うところ。何よりもしっかりと製品化してくれることが一番重要ですから。
さて、当初より製品化は3ヵ月遅れました。今後のスケジュールですが、今年は2月12日が旧正月となるため、中国のODM工場は2月中はほぼ休み。そのため1月中に最終的なスライド機構などを確定し、3月にデバッグなど最終試作品のテスト、5月から各種証明や認可を取り、製造を開始、6月に最初のロットの出荷となるようです。
過去モデルは2機種とも日本で正規販売されており、今回のAstro 5G Transformerも技適を取得し日本で堂々と使える製品になるでしょう。6月に製品を受け取ることができることを筆者も楽しみにしています。
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