証明写真ボックスのプラザクリエイトがZoom日本法人と共同開発
テレワーク時代の電話ボックス「One-Bo」登場 他社製品の約半額を実現
2021年01月27日 15時00分更新
2020年1月26日、プラザクリエイトは「パーソナル・ミーティング・ボックス」を謳うオンライン会議室向けの個室スペース「One-Bo(ワンボ)」を発表した。Web会議サービスZoomの日本法人であるZVC Japanと共同開発されたモデルも投入される。
証明写真ボックスのノウハウで他社製品の約半額を実現
One-Boは広さが1m×1mの「One-Bo 1.00」と1.2m×1.2mの「One-Bo 1.20」の2モデルが用意されており、高さは2.095m。LED照明、換気ファン、スマートガラス、電源、USBポートなどが標準装備され、スプリンクラーや壁面ラッピング、ドア面カッティングシート、ワンボ1.00用のハイチェアはオプションで提供される。
最大の特徴は低廉な価格。One-Bo 1.00が49万8000円、One-Bo 1.20が54万8000円(ともに税別)ということで、他社製品の約半額を実現したという。また、ボタン1つでクリア状態とスモーク状態を切り替えられるスマートガラスにより、個室のような集中空間を迅速に作り出せるのもメリット。さらに壁面ラッピングに対応しており、オフィスと一体感を持たせることも可能。これらの特徴は長らく証明写真ボックスを手がけてきたプラザクリエイトだからこそ実現できたという。
プラザクリエイトが2020年12月に実施したオンライン会議に関する調査では、オンライン会議中に声が大きくなって周りに迷惑をかけてしまう「イヤホンボイス公害」、オンライン会議の増加で会議室が不足する「会議室難民」、カフェや公共の場所で行なわれる会議によって情報が漏れる「リモート漏洩」などの課題が浮き彫りになったという。One-Boはこうした課題を解消し、オンライン会議に集中できる秘匿性の高い空間を実現。これからの働き方作りに寄与するという。
「Zoomする場所がない」問題を解消
1988年創業のプラザクリエイトはDPEショップやミニラボ、スマートフォンの販売など写真や映像、通信などに関わるさまざまなサービスを手がけているが、すべては人と人とのコミュニケーションを基盤にしているという。今回のOne-Boは「みんなの広場を作る」というビジョンに従って、既存サービスと技術を組み合わせた新しいプロダクトになる。
発表会に登壇したプラザクリエイト代表取締役の大島康広氏は、新型コロナウイルスを前提とした企業活動において、オフィスの役割が変化していると指摘。出社や対面が前提だったBeforeコロナから、Afterコロナではオンラインを前提に働き方を選択する時代になり、今はこれからの働き方を模索している状況にあると説明した。
一方で、オンラインを前提にしたこれからの働き方を実現するのに際しては「オフィスリニューアルにコストがかかる」「経営陣が現場のニーズに応えていない」「コミュニケーションはオフラインでなければという先入観がある」といった課題がある。こうした課題を解消すべく、プラザクリエイトによるOne-Boのハードウェアに加え、ソフト面で協力を求めたのがZoom日本法人ZVC Japanになるという。
ZVC Japan カントリーマネージャーの佐賀文宣氏は、コロナ禍を経たこれからの働き方においてWeb会議サービスが一気に台頭してきたと説明。その上で、「つながりやすく、多人数で切れにくい」という基本性能の優秀さ、まったく同じサービスを企業や学校、個人で使えるZoomのメリットをアピール。One-Boの登場により、Zoomをする場所の不足、プライバシーやセキュリティなどの課題を解消できると期待を表明した。
販売については、まずソフトバンクC&Sが販売パートナーになることが発表された。販売目標は2025年までで累積1万台を目指す。まずはオフィス内での需要に応え、その後は公共スペースや病院、カフェ、ショッピングモール、自宅などの設置も視野に入れる。また、オンライン会議の課題をSaaSで補完していく予定で、第一弾としてはミーティング中の会話からAIがキーワードを抽出して表示するアイデア発想支援ツール「Insipration Wall」をOne-Boと連携していくという。
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