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最新パーツ性能チェック 第327回

3年ぶりのモデルチェンジでSamsung「870 EVO」が最強の2.5インチSSDに

文●藤田 忠 編集●北村/ASCII

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“現実性能”も実行してみた

 同じく、「CrystalDiskMark 8.0.0」のテストプロファイル「現実性能(R)[+Mix]」を定番データサイズの1GiBと、TurboWriteデフォルト容量の6GBを超える8GiBで実行してみると、通常のテストと異なりシーケンシャル「SEQ1M Q1T1」やランダム「RND4K(IOPS)」で、「860 EVO」を上回る結果を出した。

「870 EVO」の「現実性能(R)[+Mix]」。テストデータ1GiB

「860 EVO」の「現実性能(R)[+Mix]」。テストデータ1GiB

「870 EVO」の「現実性能(R)[+Mix]」。テストデータ8GiB

「860 EVO」の「現実性能(R)[+Mix]」。テストデータ8GiB

 同様に実ストレージ性能を独自のスコアで表示する「PCMark 10」のストレージテスト「Data Drive Benchmark」(ファイル保存用途のテスト)を実行。スコア差はわずかだが、「870 EVO」が勝り、テスト中の転送速度とアクセス時間(マイクロ秒)も「860 EVO」よりも優れた結果になった。「870 EVO」に搭載された新型コントローラーの差なのかも知れない。

「870 EVO」で実行した「Data Drive Benchmark」の結果

「860 EVO」で実行した「Data Drive Benchmark」の結果

AMD Ryzen環境は多少性能がダウン

 なお、今回の検証環境にインテル環境のBTO PCを使ったのには訳がある。初期テスト時はX570チップセット採用マザーボードやRyzen 9 5900XといったPC構成で検証したのだが、今一歩パフォーマンスが奮わず、今回測定したAMD環境では「860 EVO」も「870 EVO」も公称値のパフォーマンスに届かなかった。

 インテルチップセット制御のSATAと、サードパーティー製SATAコントローラー経由で接続したときを思いおこし、テスト用のZ390マザーボードを使った環境で試すと、案の定、最大性能と言える数値になった。AMDもがんばっているが、USBポートの安定性(使用ポートやケーブル長なども影響)や相性問題と同じように、PC標準規格としてのインテル優位性は健在になっている。

 AMD Ryzen環境ユーザーも数多くいるので、以下の環境で「CrystalDiskMark 8.0.0」のテストサイズ1GiBを実行した結果も出しておこう。

AMDテスト環境
CPU AMD「Ryzen 9 5900X」
(12コア/24スレッド、3.7~4.8GHz)
マザーボード MSI「MEG X570 UNIFY」
(AMD X570、ATX)
メモリー Crucial「Ballistix Sport LT W4U3200BMS-16G」
(DDR4-3200 16GB×2枚)
ビデオカード ZOTAC「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3070 Twin Edge」
(GeForce RTX 3070、GDDR6 8GB)
SSD Western Digital「WD_Black SN850 NVMe WDS200T1X0E-00AFY0」
(NVMe M.2、2TB)
電源ユニット Seasonic「FOCUS-GX-750」
(80PLUS GOLD、750W)
OS Windows 10 HOME 64bit版

AMD環境で実行した「870 EVO」の結果

AMD環境で実行した「860 EVO」の結果

インテル環境の「870 EVO」の結果

インテル環境の「860 EVO」の結果

 「870 EVO」、「860 EVO」ともに傾向は同じで、シーケンシャル「SEQ1M Q8T1」のライト性能と、ランダム「RND4K Q32T1」リード/ライト性能で数十MB/sec程度AMDが下回ってしまった。

2.5インチSSDの新たな定番モデルとなる「870 EVO」

 「860 EVO」と同じく、安定したパフォーマンスを発揮した「870 EVO」は、おすすめと言える2.5インチSSDになっている。

まだまだ需要がある2.5インチSSD。「870 EVO」は、2021年以降の新定番確定だろう

 問題は買い時だが、Samsung製SSD恒例になっている前世代モデルの特価で、パーツショップのみならず家電量販店系でも「860 EVO」がお買得になっており、今回試した1TBモデルの「MZ-76E1T0B/IT」は、1万480円まで値下がりしているので、今すぐ買うなら前モデルの「860 EVO」になる。

 今後「860 EVO」の特価が終了、あるいは「870 EVO」の価格が大幅に下がれば、2021年以降の2.5インチSSDの新定番として「870 EVO」が君臨することになるだろう。

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