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石川温のPCスマホニュース解説 第100回

携帯料金値下げ競争、3キャリアの寡占状態が強まる危険性も

2020年12月24日 09時00分更新

文● 石川温 編集● ASCII

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●新料金「2980円、20GB」で横並び

 しかし、ahamoはNTTドコモの予想を遥かに超えて、世間に大きなインパクトを与えた。auやソフトバンクのユーザーも「ahamoに乗り換えようかな」と検討を始めるなど、新規契約が見込める破壊力があった。

 そんなahamoの評判に、ソフトバンクとしてはユーザーが大量に流出するのではないかと焦りを感じたのだろう。そこで、突貫工事で、SoftBank on LINEを企画し、わずか3週間で発表にこぎつけたというわけだ。

 ここで、ソフトバンクが、たとえば2980円ではなく、2480円という料金設定をしてきたら、ahamoも対抗して2480円に値下げしたかもしれない。となると、ソフトバンクも対抗して2280円にせざるを得なくなってくる。

 こうした値下げ合戦は不毛であり、お互いの体力を消耗するだけになりかねない。ソフトバンクとしてはNTTドコモからの報復的な値下げを仕掛けられないよう、あえて同額の2980円を設定してきたのではないか。

 仮にソフトバンクがNTTドコモよりも安い金額を設定したとしても、差額はわずかであり、その程度ではユーザーはNTTドコモからソフトバンクには流れてこない。かつてソフトバンク関係者が「日本のユーザーはとにかく腰が重い。安い料金プランを仕掛けても、乗ってこず、動いてきてくれない」とボヤいていたことがある。

 つまり、他社より安い料金プランを仕掛けたところで、ユーザーがまったく反応しないことが分かりきっている。安い料金プランを仕掛けたところで新規にユーザーを獲得できないであれば、他社と同額もしくは数十円程度の差におさめておくのが、ちょうどいいというわけだ。

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