●新料金「2980円、20GB」で横並び
しかし、ahamoはNTTドコモの予想を遥かに超えて、世間に大きなインパクトを与えた。auやソフトバンクのユーザーも「ahamoに乗り換えようかな」と検討を始めるなど、新規契約が見込める破壊力があった。
そんなahamoの評判に、ソフトバンクとしてはユーザーが大量に流出するのではないかと焦りを感じたのだろう。そこで、突貫工事で、SoftBank on LINEを企画し、わずか3週間で発表にこぎつけたというわけだ。
ここで、ソフトバンクが、たとえば2980円ではなく、2480円という料金設定をしてきたら、ahamoも対抗して2480円に値下げしたかもしれない。となると、ソフトバンクも対抗して2280円にせざるを得なくなってくる。
こうした値下げ合戦は不毛であり、お互いの体力を消耗するだけになりかねない。ソフトバンクとしてはNTTドコモからの報復的な値下げを仕掛けられないよう、あえて同額の2980円を設定してきたのではないか。
仮にソフトバンクがNTTドコモよりも安い金額を設定したとしても、差額はわずかであり、その程度ではユーザーはNTTドコモからソフトバンクには流れてこない。かつてソフトバンク関係者が「日本のユーザーはとにかく腰が重い。安い料金プランを仕掛けても、乗ってこず、動いてきてくれない」とボヤいていたことがある。
つまり、他社より安い料金プランを仕掛けたところで、ユーザーがまったく反応しないことが分かりきっている。安い料金プランを仕掛けたところで新規にユーザーを獲得できないであれば、他社と同額もしくは数十円程度の差におさめておくのが、ちょうどいいというわけだ。
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