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業界人の《ことば》から 第417回

見えざる家事からの解放、コネクテッドになっても変わらない日立家電の思想とは?

2020年12月21日 09時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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今回のことば

「コネクテッド家電によって、食材の在庫を気にするといった『見えざる家事』から解放することができる。65年前の『家庭生活の向上に奉仕する』という姿勢は、いまも変わらない」

(日立グローバルライフソリューションズの谷口潤社長)

 日立グローバルライフソリューションズ(日立GLS)は、コネクテッド家電を活用した食材ストック管理ソリューションを、2021年2月以降、国内で提供することを明らかにした。

 現在、ニチレイフーズと検討を進めている新たなサービスであり、日立GLSが、2021年2月に発売を予定している1ドア冷蔵で提供する残量検知機能と発注提案機能を利用。食材の在庫状況をもとに、アプリを通じて、ユーザーに食材発注を提案するという。

 日立グローバルライフソリューションズの谷口潤社長は、「食材など、家のなかでいつも使っている定番品は、冷蔵庫のなかにストックしておきたい。だが、それを切らさないように気をつけておく必要もある。今回の食材ストック管理ソリューションは、食材の在庫を気にするといった、『見えざる家事』から解放する提案になる」とする。

 ユーザーにとっては、欲しい食材を常にストックできるほか、フードサプライヤーにとっては安定した販売を確保でき、日立GLSは、オンライン発注によるリカーリングサービスを確立できることにつながる。

 コネクテッド家電は、これまでは家電同士の連携などに留まっていたが、食材ストック管理ソリューションは、日立GLSとサービス事業者との連携が広がるきっかけになりそうだ。

 今後は、これにサブスクリプションモデルなどを組み合わせることも検討していくことになるという。

 谷口社長は、「日立は、家電で88年、空調では68年の歴史を持っている。いまから65年前には、『家庭生活の向上に奉仕する』という広告を掲載した。この姿勢は、いまも変わらず、生活者のQoLに貢献することを目指している」とし、「近年は、家電のコア技術、空調のコア技術を生かしながら、コネクテッド分野を伸長させており、新たな付加価値を提供している。国内では、家電で約30%のシェアを持ち、空調では約15%というシェアを持つ。また、ASEANを中心に100カ国以上に家電、空調事業を展開している。日本やそれらの国において、日立の家電や空調機器は、信頼、技術力、耐久性といった点が評価されている。ベースには、地域に密着したアフターサービス網があり、顧客満足度も約90%という一定水準の評価を長年得ている。この基盤を使いながらどう成長するのかが命題である」と語る。

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