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新車を買った情報2020 第72回

マツダ ロードスターRFのタイヤ交換にインパクトドライバーを使うとソケットビット選びが大変だという話

2020年12月19日 12時00分更新

文● 四本淑三 編集● ASCII

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■応力を緩和するトップ工業「αソケット」

 まずトップ工業の「αソケット EDX-17」。六角軸へのねじれ応力を緩和する構造で「当社比2倍」「18V対応」をうたう製品です。ちなみに各社の製品に見られる「○○ボルト対応」は耐久性アピールのキャッチみたいなもので、18ボルト以外で使うと速攻で逝く、なんてことはありません。

 トップ工業は偉い会社で、レンチやラチェットなどの保証トルクをカタログに記載しています。保証トルクというのは、そこまでなら破損も変形もしないという値で、この製品は75ニュートンメートルです。

 対するロードスターのホイールナット締め付けトルクは108〜147ニュートンメートル。私はその中間の127ニュートンメートル程度で締めていますが、そんな力が細い六角軸に一発でかかったら大変です。が、しかし。

 WH36DCの最大締付けトルクは200ニュートンメートルですが、これは「強度区分10.9のM16高力ボルトを3秒間」締付けた値。つまり細かい打撃を重ねた結果の値です。WH36DCの最大打撃数は毎分4100回ですから、200回ほど引っ叩いたのでしょう。

 だから打撃一発ずつのトルクは小さく直ちに破壊には至りませんが、長い時間打たれ続ければ金属疲労を起こし、やがては破断する。それがインパクトドライバーに装着されたソケットビットの定め。

 ゆえに若干ビビりながらの作業となりました。ホイールナットを締めるトルクレンチの設定は127ニュートンメートル、WH36DCのモード設定は「ボルト連発モード」。以降、3本のソケットビットすべてこの条件で作業して参ります。

 昼間の気温が氷点下のため、ワンダーグリップのフリーズフレックスプラスで失礼いたします。

 さあ、トリガーを引きました。打撃が始まってもすぐには緩みません。「ダララララー」っと打撃が続いてソケットがジタバタしている間に「早くとどめをさしてやらんとナットが可哀想ではないかあああ」などとナットの気持ちを察することができる程度に長く感じられました。

 そして「ピュイーン」と抜けた後のナット穴には金属粉がちらほら。やはりインパクトを使えば多少はナットのメッキも剥げてしまう。これは致し方のないところ。

 一方、ソケットビットは健在。タイヤ4本分、ホイールナット16本の着脱を繰り返した程度では何も起こりませんでした。むしろ中腰で作業する私の腰が痛い。

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