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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第126回

アップルはあらゆる社会問題を扱うブランドになっている

2020年12月17日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●Apple Watchの心肺機能計測

 また12月15日、watchOS 7.2の配信と共に登場したのが、心肺機能の計測です。これにより、健康状態の予測因子をApple Watchで調べ、ヘルスケアアプリで管理することができるようになります。

 新たに取得できるようにしたのは「最大酸素摂取量」(VO2Max、ml/kg/分)という値で示される数値で、数字が大きいほど、肺から血液に酸素をより多く取り込むことができることを表します。

 米国心臓協会など、世界中の医療研究機関は、心肺機能の低さと健康リスクに相関があり、VO2Maxの数字を追跡することが重要だとしています。

 既存のApple Watchに内蔵されているセンサー類に加え、アップデート直後にあらためて身長や体重、年齢といったデータを更新すると、心肺機能レベルが推定できるもので、アップルはそのために実際に運動しながらガスマスクを装着し、酸素の摂取量を計測する形で、新しいアルゴリズムを設計したそうです。

 屋外で歩く、走るといった条件を満たした際に自動的に計測、記録される仕組みで、ユーザーが特別捜査する必要はないそうです。

 もし4ヵ月間、値が低い状態が続くと、通知を出して知らせてくれます。これを受け取った人は、その改善へと取り組むきっかけとなります。

 心肺機能とApple Watchに相性が良いのは、運動によって値を改善することができる点です。特に高強度インターバルトレーニングが有効で、すでにApple Watchのワークアウトアプリにも、このトレーニングの計測が用意されていました。

 watchOS 7.2とともに、米国などの英語圏ではApple Fitness+も開始となりましたが、今回の心肺機能の計測と直接的なつながりはないそうです。

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