楽しくゲームを遊んで「稲作」についても学べる一石二鳥のタイトル
『天穂のサクナヒメ』はなぜブレイクしたのか?あらゆる面で完成度が高い「唯一無二」の「稲作ゲーム」をプレイ!
魅力その四:手触りのいいアクションバトルパート
次は稲作でつけた力を活用する「島の開拓」を紹介。横スクロールのマップを探索するアクションバトルパートとなっており、さまざまな形を持つ鬼と戦いながらエリアを踏破し、日々の食材や肥料などに使う素材を持ち帰るのが目的だ。
本作のバトルで特徴的なのが、サクナヒメの使う「羽衣アクション」。いわゆる「ワイヤーアクション」のようなもの。これが非常に使い勝手がよく、羽衣を任意の方向へシュッと伸ばして壁や天井に張り付いたり、敵の背後に高速で回り込んだりと3次元的な戦い方を実現するほか、敵を引っ張って飛ばしたり敵に状態異常をかけたりとさまざまな面で活躍する。
そしてサクナヒメは豊穣神らしく鎌や鍬(くわ)といった農具を使って戦う。その際の「武技」と「羽衣技」が種類豊富なうえ、使い込むとアクションが進化するので、戦えば戦うほど成長を実感できるのが楽しい。
また、バトルの設計自体も、テンポとバランスを重視した作りになっていると感じた。例えば最初のほうは敵の数もまばらで、アクションをじっくり見定めながら戦える。それが慣れてくるころになると数が激増し、武技でまとめてなぎ払ったりたたき飛ばしたりする「無双感」を味わうことができるのだ。
ザコ相手なら攻撃ボタン連打や武技をなんとなく使っているだけで爽快感を味わえるし、たまに出てくる強敵やボス相手には持てる技術を駆使した立ち回りでギリギリ勝利し、達成感も味わえる。ここのバランスが非常によくできているのが、本作の魅力の1つと言っていいだろう。
魅力その伍:動物のかわいさに癒される
本作には島の開拓に役立つさまざまな動物が登場する。主にかいまるがどこからともなく連れてくるのだが、この動物たちの作り込みがまた素晴らしいので、魅力の1つとして紹介したい。
●犬
●猫
●合鴨(あいがも)
いかがだっただろうか。これだけ多くの魅力を持つ『天穂のサクナヒメ』なら、ブレイクしたのもわかるというもの。開発者の丁寧なこだわりがゲームの細かいところまで行き届いているのが、とくに素晴らしいと感じた。そういう意味では、大手の開発ではないからこそ生まれた、唯一無二の「稲作ゲーム」と言っていいかもしれない。
なお、これを書いている時点でアップデートはバージョン1.08(PS4版)まで配信中。さまざまな不具合も迅速に修正され、いまは発売当初よりさらに遊びやすくなっている印象だ。詳しくは書かないが、「肥溜めバグ」をあえて残していることも英断と思っている。とくに活用する予定はないが。
ちなみに、筆者はお米が大好きだ。毎食に白米は欠かせないし、なんなら白米と塩があればそれだけでごちそうである。そんな米好きなら必ず試すであろう、夕餉(ゆうげ)のスクリーンショットを載せて、今回のレビューを締めくくりたいと思う。
【ゲーム情報】
タイトル:天穂のサクナヒメ
ジャンル:和風アクションRPG
配信:マーベラス
開発:えーでるわいす
プラットフォーム:PlayStation 4/Nintendo Switch/PC(Steam)
発売日:発売中(2020年11月12日)
価格:5478円(パッケージ/ダウンロード)
プレイ人数:1人
CERO:B(12歳以上対象)
©2020 Edelweiss. Licensed to and published by XSEED Games / Marvelous USA, Inc. and Marvelous, Inc.
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