独自CPU「M1」で処理性能&バッテリー駆動時間が大幅向上 新Mac特集 第13回
【M1版MacBook Proレビュー】率直に驚いたパフォーマンスと完成度
2020年11月17日 23時00分更新
互換性問題はほぼなし? 意識することなく「Mac」として使える完成度
Macは過去、2度の「CPUアーキテクチャ変更」を乗り越えてきた。モトローラの68000系からPowerPC系へ、そしてPower PCからインテル系へと、まったく互換性のないCPUへの変更は、今回の「Appleシリコン」への変更で3度目になる。
過去のアーキテクチャ変更で使われてきた方法論は、今回も踏襲されている。ソフトのトランスコードをする「Rosetta 2」と、Appleシリコン版とインテル版のアプリを1つのパッケージで供給する「Universalアプリ」だ。この両者によって、M1対応の「macOS Big Sur」は、どのアプリもCPUアーキテクチャをユーザーに意識させることなく動作させられる……ことになっている。
問題は、「それが本当か」という点だ。まずOSやアップル自身によるアプリを動かしてみる。こちらは実に快適。数値で表しづらいが、アプリ起動時間もインテル版よりワンテンポ早くなっている印象を受ける。
「Uni Detector」(AppStore URL: https://apps.apple.com/jp/app/uni-detector/id1531249804?mt=1 開発者 Twitetr @piyomaru氏)というアプリを使い、Appleシリコン対応のUniversalアプリがどのくらいあるのかを確認してみた。どうやら、アップルのソフトはほぼAppleシリコン版が提供されているらしい。それなら動作が快適なのも頷ける。
では、インテル版アプリの動作はどうか。結論から言えば、こちらも「拍子抜けするくらい安定」している。
事前の予想では、もう少し動作が遅くなったり、動きがおかしかったりするアプリがあるものだろう……と予測していたのだが、意外なほど少なかった。初回起動時にはRosetta 2によるトランスコードが走るので起動が遅いものの、それも2回目からはごく普通になる。アプリが最適化されたものかどうかを、動いている状況で見分けることはほぼ不可能に近い。
もちろん、正常な動画をしていないアプリはある。例えばAdobeの「Lightroom」は、画像ファイルの読み込みや書き出しが異常に遅い。クラウド(Adobe Creative Cloud)にすでにアップロードされている画像を取得して編集する分には、特に重さは感じないのだが。ただLightroomの場合、12月にはAppleシリコン版が出ることになっているので、不便な時期は短期間で済みそうだ。
それ以外はさほど問題がない。例えば、日本語入力ソフトの「ATOK」や、クラウドストレージ「Dropbox」「OneDrive」などの同期用ユーティリティも普通に動いている。負荷が大きくなったり動作が遅くなったりするのでは……と予測していたが、それも起きなかった。
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