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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第589回

AIチップの性能評価基準を考えさせるFlex Logic AIプロセッサーの昨今

2020年11月16日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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競合より実装面積が小さく安価な製品で
AI推論市場に参入するやや大胆な試み

 チップ単体のラインナップと価格がすでに示されている。競合製品と比べると、はるかに必要な実装面積も小さく、価格も安く、それでいて性能はずっと高いというのが同社の主張で、NVIDIAだけでなくblaizeのGSP(Graph Streaming Processor)と比較してもより有利であるとしている。

チップ単体のラインナップ。民生用(0~85度)は933MHzまで可能だが、産業用(-40~100度)では667MHz、航空宇宙向け(-40~125度)は553MHzのみ、というのはわからないではないが、航空宇宙向けの放射線対策などはどうなっているのだろう?

数字の左は、2021年における1000個発注時の単価。右は、2021年における100万個発注時、もしくは2024年における1000個発注時の単価。組込みシステム向けの単価というのが、いかに発注数量に依存するのかがわかる値付けになっている

blaizeのGSPの話はまた別の機会に。ここは自動車業界(国内ではデンソーなど)からの投資を多く受けている点でやや注目されている

 Flex Logicそのものは冒頭にも書いたように組み込み向けFPGAのIPを提供しているメーカーであり、そのことそのものは現在も変わらないのだが、これに加えてAI推論の市場に向けて、より利幅が大きい(ただし失敗すると大損害になる)チップベンダーに移行していこう、というやや大胆な試みである。果たして同社の試みはうまく行くのだろうか?

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