各地の運営パートナーが持ち味を生かして日本のDXを推進、ローンチイベントレポート
日本MSが立ち上げた「Azure Base」、その狙いと個性ある全国12拠点を紹介
2020年10月30日 08時00分更新
日本マイクロソフトは(日本MS)2020年10月14日、「Azure Base」プロジェクトの正式ローンチを発表した。全国各地のパートナーと共に運営する物理拠点やオンラインでの幅広い活動を通じて、「ニューノーマルを見据えた、すべての組織・個人の新しい働き方やDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現を支援する」ものと位置づけている。
Azure Baseは、今年度のAzure事業戦略の中でも重要なもののひとつと位置づけられている。同日にはAzure Baseのローンチイベントが開催され、マイクロソフト側からプロジェクトの狙いやこれまでの活動成果が紹介されたほか、全国12拠点のAzure Base運営パートナーから、それぞれの地域色や持ち味を生かした地元での活動方針や期待が語られた。
ベストプラクティスから専門知識まで「Azureに関する情報発信の場」
ローンチイベントでは冒頭、日本マイクロソフトでAzureビジネス本部 本部長を務める上原正太郎氏が挨拶に立ち、Azure Baseの果たす役割について説明した。
「顧客視点で見ると、オンプレミスとクラウド、それらをつなぎ合わせたハイブリッド(クラウド)と、IT環境が複雑化しているのは事実。そこで、業種別ベストプラクティスを凝縮したフレームワークの提供、Azureの専門知識を持ち合わせたパートナー企業、まだクラウド化に踏み出せていない顧客を後押しする導入検討/支援のプログラム、そして日本マイクロソフトにいつでも相談できる機会の提供――。これらを、物理的またはバーチャルな場としてつなぎ合わせる『情報発信の基地』が、Azure Baseである」(上原氏)
さらに上原氏は、このAzure Baseは日本MSが日本市場で独自に開始する“日本発信の取り組み”であり、「これがベストプラクティスとして世界にも広がるように、今後も拡大していく予定」だと語った。
各地のパートナーが運営する物理拠点+“仮想拠点”を展開
続いて同本部 プロダクトマーケティング&テクノロジ部 部長の田中啓之氏が今年度のAzure事業方針を説明したあと、同本部 プロダクトマネージャーの柴田大樹氏がAzure Baseプロジェクトの取り組みを詳しく紹介した。
第一の特徴として、Azure Baseは全国各地に物理拠点を展開することが挙げられる。10月から全国10拠点が始動し、来年(2021年)第1四半期にはそこに2拠点が加わる予定だ。
この物理拠点は、産官学と連携した各種イベント/セミナー/ハッカソンなどの会場としてだけでなく、AzureやTeams、HoloLens、Surfaceといったマイクロソフト製品のタッチポイント、「Teams Live Studio」(東京、大阪、福岡、沖縄の4拠点)からのストリーミング番組配信の場としても活用するという。
12拠点のうち日本マイクロソフトの直営拠点は3カ所(東京・代官山、大阪、佐賀)のみで、そのほかは各地のパートナー企業が運営する点も特徴だ。全国の拠点が同じ活動をするのではなく、それぞれが異なる目的を持ち、地域色や強み、地域ネットワークを生かした独自の活動を展開していく(詳しくは後述)。
フラッグシップ拠点となる「Azure Daikanyama Base」(東京・代官山)は、すでに昨年11月にプレオープンし、運営を開始している。新型コロナウイルスの感染拡大により、今年2月半ば以降は物理的に人が集まるイベントの開催が難しくなったが、それ以前の期間で68イベントを開催し、1100名以上が来場したという。
「(Daikanyama Baseは)顧客企業やパートナーのコミュニケーションやトレーニングの拠点としてだけでなく、地元のNPO団体やスタートアップのミートアップイベントなどでも活用された」(柴田氏)
物理拠点に加えて、今年12月からは「バーチャルAzure Base」もオープンする。これはFIXERが提供する「cloud.config Virtual Event System(ccVES)」を利用したサービスで、各地域の拠点で開催されているセミナーなどへ、バーチャル空間から参加できるというものだ。チャットを通じて他の参加者と交流できる機能も備える。
Azure BaseのWebサイトもオープンした。ここではイベント/セミナー開催告知のほか、技術ブログやコンテンツポータルの提供を行い、Azureや各種製品情報の提供も強化していくと柴田氏は語った。