タフネス仕上げのスマートフォンを展開しているBlackviewから初の5Gスマートフォン「BL6000 Pro 5G」が11月に登場予定です。クラウドファンディングのIndiegogoでは予告ページを公開。追って価格や登場時期が公表される予定です。クラウドファンディングを通した早期購入者には定価よりも安価な価格で提供されると思われます。
タフ仕様のスマートフォンを手掛けるメーカーは数社ありますが、BlackviewはこのBL6000 Pro 5Gを「The World's First 5G Rugged Smartphone」、すなわち世界初のタフ仕様5Gスマートフォンとしてアピールしています。確かに現時点で大手メーカーから販売されている5Gスマートフォンは一般的なデザインであり、特徴的な外観を持つ製品は存在しません。
BL6000 Pro 5Gのタフな仕様は十分”本物”と呼ぶことができます。IP68の防水防塵に加え、IP69K、すなわち高圧ウォータジェットで数分間の噴射にも耐えられます。アメリカ軍の調達規格であるMIL-STD-810Gにももちろん対応。さらにはIceModeと呼ぶマイナス30度での仕様も保証。ここまで低い温度では一般的なスマートフォンは電源が落ちて使うことができません。
スペックはまだ詳細が発表されておらず、11月に公表されると思われます。カメラは4800万画素(ソニーIMX582)、画角120度のウルトラワイドカメラを含むトリプルカメラを搭載します。ポートレート撮影にも対応するので、残りの1つは深度測定カメラかもしれません。ナイトモード撮影、4K 30fpsの動画、さらにタフネススマートフォンらしく深度1.5メートルの水中で30分間の撮影も可能です。フロントカメラは1600万画素(サムスンS5K3P9-SP)となっています。
そして最大の特徴である5Gへの対応は、MediaTekのDimensity 800をチップセットに搭載します。カメラ性能と合わせてみると、BL6000はハイエンドモデルではなくミドルハイレンジモデル製品の価格に落ち着きそうです。メモリーは8GB、ストレージは256GBと容量は多め。
対応周波数は5G NRのn1/n3/n5/n8/n20/n28/n38/n41(PC2)/n77(PC2)/n78(PC2)/n79(PC2)とのこと。日本での展開も十分期待できる対応です。NSA(ノンスタンドアローン)およびSA(スタンドアローン)への対応は数年後の展開を考えると当然でしょう。理論上の速度は下りが最大2.3Gbps、上り最大1.25Gbpsと十分高速です。
5Gスマートフォンはアップルも先日4機種を発表し、10万円以下のモデルも積極展開しています。一方、中国メーカーも5Gの低価格製品を多数出しており、価格面では4Gスマートフォンと変わらぬものが増えています。同じ価格の製品ならば「4Gより5G」と考えるのが消費者心理でしょう。タフネススマートフォンは強固なボディーから特定ユーザーにとって大きな魅力でしょうし、他社にライバルは存在しません。しかしこれから5Gの普及を本格的に迎える中で、4G製品だけでは魅力に欠けます。
次々と魅力的な5Gスマートフォンが市場に出てくる中で、BL6000 Pro 5Gは「唯一のタフネス仕上げ」モデルとして存在感を知らしめる製品になるかもしれません。ぜひ日本にも正式に投入してほしいものです。
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