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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第115回

ディスプレー高効率化と、充電高速化の成果か:

Apple Watch Series 6で睡眠計測してもバッテリーは意外となんとかなる

2020年10月06日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●ディスプレー技術の進化

 Apple Watchの中で、もっともバッテリーに対してシビアなのがディスプレーです。Apple Watchは当初から、一般的に電力効率が優れ、薄型化やデバイス内への配置がしやすい有機ELディスプレーを採用してきました。

 Series 4でディスプレーを2mm拡大させ、40mmと44mmの縁なしディスプレーを採用しながら、バンドの互換性と、角を落とした長方形という意匠を保っていますが、ここでディスプレー方式は一度変わっています。

 Series 4から、ディスプレーはLTPO有機ELディスプレーとなりました。新たな方式は低温多結晶酸化物(Low Temperature Polycrystalline Oxide)を採用。特に画面を表示しておく際の書き換え頻度は、1/60ではなく1秒ごとでもよくなりました。こうして5~15%ほどの消費電力を減らせるようになりました。

 常時点灯のディスプレーは2019年のSeries 5から採用され、2020年のSeries 6に引き継がれましたが、今年は最大輝度を1000ニトまで引き上げ、明るい環境での視認性を高めています。それでもバッテリー持続時間は維持。

 裏を返せば、より暗い輝度に設定したり、常時点灯ではなく手首を上げたときだけ点灯する従来の設定に戻せば、高まったディスプレー効率をバッテリー持続時間向上に生かすことができるわけです。

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