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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第115回

ディスプレー高効率化と、充電高速化の成果か:

Apple Watch Series 6で睡眠計測してもバッテリーは意外となんとかなる

2020年10月06日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●S6 SiPの功績?

 アップルは最新のApple Watch Series 6の説明の中で、内蔵するSiP(System in Package)「S6」について、A13 Bionicチップの技術を用いたデュアルコアプロセッサであるとしました。そもそもA13 BionicチップはCPU 6コア、GPU 4コアの構成で、7nmプロセスによって製造されています。

 S5について公式にこうした説明は加えられていませんでしたが、S4と同型で、ジャイロと32GBストレージのみがアップデートされたものだと分析されています。Series 4からSeries 5へのアップデートは、常時点灯ディスプレーへの対応が中心だったことを考えると、パワーマネジメントまわりに変化こそあれ、内部のアップデートはあまりありませんでした。

 Apple Watch Series 4に搭載されたS4は、Series 3のS3に比べると大きな進化がありました。A12にあるような2つの省電力コアと、独自設計のGPU、機械学習処理を行うニューラルエンジンまで備えた存在でした。

 A13 Bionicの省電力コアはA12 Bionicに比べて、20%高速化、消費電力が40%削減となっていることから、Appleが言うA13ベースのS6は、プロセッサそのものの消費電力が大きく削減されていることが考えられます。

 このことは、単純に同じ使い方をすれば、Apple Watch Sereis 6のバッテリー持続時間を増加させることができるし、輝度上昇や新たな計測機能の追加などの体験向上にも、その電力を振り分けることができるのです。

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