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独自技術で“モビリティデジタルツイン”戦略を強化、多様な業界の自動車ビッグデータ活用を支援

富士通、ドラレコ映像解析基盤「Digital Twin Analyzer」販売開始

2020年09月16日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 富士通は2020年9月10日、車載カメラ映像解析プラットフォーム「Digital Twin Analyzer」の販売開始を発表した。自動車から収集したビッグデータの活用を加速させるプラットフォームで、同社における“モビリティデジタルツイン”への取り組みを強化する。

富士通「Digital Twin Analyzer」は、一般的な車載カメラ(ドライブレコーダー)の映像を用いて、車両の挙動や周辺状況を自動解析できる

富士通 Mobilityソリューション事業本部プラットフォーム事業部 シニアディレクターの井上大悟氏、同事業部 マネージャーの大下朋也氏

デジタルツインの情報世界をよりリッチに、車載カメラ映像の解析技術

 富士通ではまず2019年10月に、ストリームデータ処理基盤「Digital Twin Utilizer」(旧称:Stream Data Utilizer)の提供を開始している。これは、車両データや天気情報といった刻々と変化する実世界の情報を、リアルタイムにデジタル空間上でデジタルツインとして再現し、分析、予測を行うことができるプラットフォームだ。

Digital Twin Utilizerのイメージ(画像は富士通サイトより)

 富士通 Mobilityソリューション事業本部プラットフォーム事業部 シニアディレクターの井上大悟氏は、このプラットフォームを通じて実世界のデータをリアルタイムに分析、加工して企業に提供することができ、そうした富士通の立ち位置は「モビリティサービスアクセラレータ」だと説明する。

 「富士通の立ち位置は、コネクテッドカーから集めたデータを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現するために、さまざまな業種をつなぐ『モビリティサービスアクセラレータ』。収集したデータを分析/加工して『価値あるデータ』に変え、それをさまざまな業種の企業に届ける。これにより、モビリティ社会のデジタル化を推進し、“モビリティDX”や“アーバンDX”の実現を支援する」(井上氏)

富士通はモビリティ市場において、デジタルツインの技術を用いて「価値あるデータ」を生成し、さまざまな業種の企業に届ける「モビリティサービスアクセラレータ」を目指す

 ここに加わったのが、今回発表されたDigital Twin Analyzerだ。これを利用することで、一般的な車載カメラの映像を自動解析して、車両の周囲に存在する存在する人やクルマなどのオブジェクトを把握し、実世界空間におけるそれらの三次元位置や軌跡(進行方向や速度など)までを推定できる。

 両サービスが担う役割の違いについて、井上氏は、さまざまな収集データからサイバー空間にデジタルツインを再現するのがDigital Twin Utilizerで、クルマの車載カメラから周囲の情報を解析し、デジタルツインをより充実/拡張させるのがDigital Twin Analyzerだと説明する。

 「これまではコネクテッドカーからアップデートされるクルマ自身の位置や速度といった情報(センサーデータ)を活用し、分析や管理に生かしてきた。ここに車載カメラ映像という情報を加えることで、クルマの周囲がどういう状況であるのかもわかるようになる。扱う情報がリッチになり、モビリティサービスの幅を広げることができるようになる」(井上氏)

従来のデジタルツインに車載カメラ映像を解析した情報が加わることで、提供できるモビリティサービスの幅が広がると説明した

 また同事業部 マネージャーの大下朋也氏は、車載カメラ映像に画像認識技術して得られる情報だけでは活用範囲も限定的だったが、Digital Twin Analyzerでは空間内での位置や軌跡まで正確に把握/分析できるため「価値のあるデータ」となり、活用の幅も広がると語った。たとえば「人が10人いる」だけでなく、「まとまって10人いる」「バラバラに10人いる」といったことが解析できることで、情報としての価値は高まると説明する。

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