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薬局と介護事業者が活用例を披露!LINE WORKSは地域包括ケアにどう貢献できるのか?

2020年09月15日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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コロナ禍を経て、患者を守る情報連携に必要なこと

 最後のテーマは今後の情報連携について。まずはコロナ渦においてのLINE WORKSの活用について聞いた。

 ひまわり在宅サポートグループは、3月末からなるべく事務所に立ち寄らず、ケアマネージャーも分散して業務をするようにしていたが、「LINE WORKSがあったため、情報共有で困ったことはなかった」(若林氏)という。トーク数も1日約1000件から1300件と一気に増えたということで、従来の口頭のやりとりがそのままLINE WORKSに移行したことがうかがえる。

 アクア薬局は店舗への来客数が若干減ったが、訪問件数は逆に増えた。「病院が面会禁止になり、急遽退院してくる患者が増えたので、訪問数は増えました」(加藤氏)。そんな中、女性が多い職場ということで、保育園が休業になって出社できない従業員も多かったが、「LINE WORKSですばやくフォローし合うことができ、コミュニケーションも増えた」(加藤氏)とのこと。まさに「会えなくても仕事が進む!現場が見える」というLINE WORKSが掲げるメッセージ通りのワークスタイルを実現していると言えよう。

「LINE WORKSですばやくフォローし合うことができ、コミュニケーションも増えた」(画面右下・加藤氏)

 今後の情報連携の可能性に関しては、若林氏は、「病床の空き状況などをLINE WORKSでみんなが共有できれば、対応スピードはもっと上げられます。とはいえ、他の事業者だとツールが違うという壁があるため、他社のツールとつながれる環境ができれば、連携はより促進されるのでないか」と語る。加藤氏は、「往診の医師や薬局といった業界内のつながりだけではなく、患者さんのLINEともつながる若林氏の活用法は大変参考になる」と期待を寄せる。コロナ渦の影響でオンライン診療も前進しているので、患者の不安感を払拭できるコミュニケーション環境が実現できると考えられるだろう。

 最後、医療関係者の多い参加者に対してのメッセージを求められた若林氏は、「実地指導や監査などはいまだに紙だし、印鑑を押したりと言った事務作業が発生して、疲弊しているところも多いと思います。でも、LINE WORKSを使うことで、われわれは負荷を軽減できたので、宣伝っぽいですけど、使ってみるといいなと思います」と語る。

 加藤氏は、「ソーシャルディスタンスが求められ、人と面と向かって対話するのが難しくなっているが、チャットツールを使うことで人と対話でき、障壁もゼロにできる。他職種の人たちとよりよい形で患者をサポートできるはず」と語りかけた。

患者や従業員の不安を取りのぞき、組織をまたいだ連携が実現する

 介護事業者と薬局という組み合わせで医療業界の情報連携について語ってもらった今回のトークライブだったが、予想以上に使い込んでいることにまず驚いた。トークを使った社内での日常的なコミュニケーションはもとより、スケジュールや掲示板(ホーム)なども根付いているようだ。特にアクア薬局の「薬剤情報の共有」やひまわり在宅サポートグループの「アンケート機能の活用」は、すぐにまねできる使い方だと思った。

 そして、主題だった外部との情報連携も、患者や従業員の不安軽減や対応のスピードアップを実現し、組織を横断したチームを構成するのに、LINE WORKSが有効なツールであることが理解できた。今後、LINEとつながるLINE WORKSの強みを活かし、患者と直接つながれる環境が実現できれば、患者を心身ともケアできるよりよい医療が実現できるに違いない。

 参加者からは個人情報の扱いや導入~浸透期の工夫に関する質問が届き、関心の高さが伺えた本イベント。こちらは後日、LINE WORKSのユーザーコミュニティで勉強会が開催された。具体的な運用のコツを学びたい読者は無料で参加できる「LWUG(えるわぐ)」の登録もおすすめだ。

 ワークスモバイルジャパンでは今後もITとほど遠い世界の働き方を変えるべく、さまざまなイベントを予定している。次回の「オンライントークライブ-会えなくても仕事は進む Episode 3」は、ダスキン草加をゲストに迎えて「サービス業界のITツール導入」をテーマに語り合う。2020年9月24日(木)の17時30分から開催。Peatixにてすでに参加者を募集中なので、ぜひ参加してもらいたい。

【9/24(木)無料オンラインライブ】ダスキン草加に学ぶ!サービス業界のITツール導入の道のりと活用法

参加登録はこちらから(Peatixのイベント登録ページに遷移します)

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