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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第39回

ダイハツ「タフト(TAFT)」試乗! 軽自動車にもクロスオーバーSUVブーム到来か!?

2020年08月17日 15時00分更新

文● 鈴木ケンイチ 編集●ASCII

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ライバルとなるスズキ「ハスラー」との違いは

 タフトのライバルとなるのは、スズキのハスラーだ。ハスラーは2014年に初代モデルが登場し、軽自動車にクロスオーバーSUVというジャンルを切り開いた。タフトと同様に、昨年の東京モーターショーで第2世代のコンセプトが登場。タフトはモックアップの出品であったが、ハスラーは、ほぼ量産車そのままであり、2020年1月に新世代の新型車の発売が始まっている。

 ハスラーとタフトの大きな違いはキャラクターだ。窓が大きくキュートなハスラーに対して、タフトはクーペのような雰囲気がある。ガラス・エリアの小ささを「スカイフィールド」でカバーするのがタフトの特徴だ。パワートレイン的には、ハスラーが2次電池を使うマイルドハイブリッドを使うのに対して、タフトはハイブリッドの用意がない。そのため燃費性能はハスラーが一枚上手となる。一方、タフトは電動パーキングブレーキやオートブレーキホルードという装備で勝る。そして、先進運転支援の充実度は両車互角と言っていい。

 丸い目(ヘッドライト)でルーミーなハスラーは燃費性能が優れ、角ヘッドライトでクーペ風のタフトはクールさとスカイフィールドルーフの解放感が魅力となる。内容的には良い勝負ではないかと思う。

軽自動車にもSUVのムーブメントが到来

 これまで、軽自動車のクロスオーバーSUVといえばハスラーの独断場であった。しかも、今年1月に登場した第2世代のハスラーは、相当に売れている。なんと1~6月の販売ランキングで4位に食い込んだ。ちなみに、軽自動車の売れ筋は、ここ数年すっかりハイトワゴンからスーパーハイトワゴンに移っている。今年1~6月の販売トップ3は、1位がホンダのN-BOX、2位がスズキのスペーシア、3位が日産のルークス。3台ともスライドドアを持つ、背の高いスーパーハイトワゴン。その次がクロスオーバーSUVのハスラーとなる。

 ここに6月発売のタフトが参戦。ハスラーが唯一の存在であったクロスオーバーSUVにタフトが加わるのだ。ライバルが競ってこそ、ムーブメントは生まれる。そういう意味で、タフトの参戦によって、俄然、軽自動車のクロスオーバーSUVの注目度は高まった。この2台が売れるようになれば、ホンダや日産、三菱からもクロスオーバーSUVが登場する可能性は高まる。そうなれば、現在の売れ筋であるスーパーハイトワゴンの立場を、クロスオーバーSUVが奪取することになるだろう。

 なんといっても、普通車の世界では、すでにSUVがトレンドとなっているのだ。軽自動車も同じようにならない方が逆におかしい。今回のタフトの試乗では、その走行性能の高まりと先進運転支援システムの充実度に驚いた。これならば、高速道路の移動が中心の人であっても、タフトをファーストカーとして利用できる。これまでの軽自動車ユーザーだけでなく、小型車からの乗り換え組も増えることだろう。今回の試乗で、そうした新しいムーブメントを起こす力をタフトからは感じられたのだ。

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筆者紹介:鈴木ケンイチ

 

 1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。

 最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)。


 

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