レノボのゲーミングデバイスブランド「Legion」初となるスマートフォン「Legion Phone Dule」「Legion Phone Pro」が発表になりました。前者はグローバル向け、後者は中国向けのモデル名となります。5Gにも対応し、レノボのスマートフォンとしてはかなりのハイスペックモデルです。
Legion Phone Duelの主なスペックはSoCがSnapdragon 865 Plus、最大メモリー構成は16GB+512GB、5000mAhバッテリー搭載。カメラはデュアルですが6400万画素+1600万画素、フロントは2000万画素と高スペック。なによりもデュアルバッテリー構造とし、本体の底部と側面の2つのUSB Type-C端子から同時充電することで90Wの急速充電が可能。10分で50%、30分で100%の充電が可能。まさかケーブルを2本挿して充電するスマートフォンが出てくるとは思いもよりませんでした。
他にもさまざまな機能を搭載していますが、これもおそらくスマートフォンとして初の試みとなる「サイド・ポップアップカメラ」を搭載しています。スマートフォンのフロントカメラは本体上部からモーターで上下するポップアップ機構を搭載した製品が多くありますが、Legion Phoneはその飛び出すカメラを本体の横に取り付けているのです。
ゲーミングスマートフォンにとってフロントカメラは悩ましい存在です。水滴ノッチやパンチホールカメラはディスプレーの一部をカメラの穴で隠してしまいますから、採用したくはないでしょう。Nubiaのゲーミングスマートフォン「Red Magic」シリーズはベゼル幅を狭めてディスプレーの外にフロントカメラを追いやりました。
しかしゲームプレイ中の自分の姿を配信するためにはフロントカメラは必要です。Legion Phoneはこの2つの問題を解決するために、フロントカメラを本体の横に取り付けたのです。普段スマートフォンを縦方向で使うときにフロントカメラを使う頻度を考えれば、横にあっても困ることはないでしょう。
背面カメラも一般的なスマートフォンとは異なり、本体の中央部分に位置します。つまりLegion Phoneは「スマートフォンは常に横向きに持つ」ことを当たり前としたハードウェア設計となっているわけです。そもそもスマートフォンをゲームマシンとして使っているユーザーにしてみれば、写真を撮る時も本体は横向きのほうが違和感ないのでしょう。
他社のゲーミングスマートフォンを見ても、前述のRed Magicの背面デザインはロゴなどを横向きにしています。「ゲーミングスマホは横向きで見せる」これが当たり前になりそうですね。
ファーウェイのPシリーズのように、カメラを使うときに本体を横向きにして利用することを考え、メーカーロゴの配置を横向きにした製品も増えています。特に最近の中華スマートフォンは横向きデザインにしたものが多くなっています。スマートフォンをテキストのコミュニケーションツールとして使っていた時代は「縦持ち」が当たり前でした。しかし、いまやストリーミングビデオの視聴やビデオチャットが全盛となり、より大きいサイズで動画を見るならスマートフォン本体は横向きにしたほうがいいわけです。Tiktokのように縦向き動画に特化したサービスも、数年後には横向き動画が主流になっているかもしれませんね。
「スマホ好き」を名乗るなら絶対に読むべき
山根博士の新連載がASCII倶楽部で好評連載中!
長年、自らの足で携帯業界を取材しつづけている山根博士が、栄枯盛衰を解説。アスキーの連載「山根博士の海外モバイル通信」が世界のモバイルの「いま」と「未来」に関するものならば、ASCII倶楽部の「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」は、モバイルの「過去」を知るための新連載!
「アップルも最初は試行錯誤していた」「ノキアはなぜ、モバイルの王者の座を降りたのか」──熟練のガジェットマニアならなつかしく、若いモバイラーなら逆に新鮮。「スマホ」を語る上で絶対に必要な業界の歴史を山根博士と振り返りましょう!
→ASCII倶楽部「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」を読む
★ASCII倶楽部は、ASCIIが提供する会員サービスです。有料会員に登録すると、 会員限定の連載記事、特集企画が読めるようになるほか、過去の映像企画のアーカイブ閲覧、編集部員の生の声を掲載する会員限定メルマガの受信もできるようになります。さらに、電子雑誌「週刊アスキー」がバックナンバーを含めてブラウザー上で読み放題になるサービスも展開中です。
この連載の記事
-
第699回
スマホ
海外で販売好調の「nubia Flip 5G」、デザイン特化や楽しいケースが急増中 -
第698回
スマホ
スマホにレンズフィルターが常識に!? シャオミやvivoのスマホが67mmフィルターに対応 -
第697回
スマホ
やっぱり出てきた「折りたたみスマホ」風の折りたたみケータイ -
第696回
スマホ
「ガンダムスマホ」も出していたゲーミングスマホのBlack Shark、現在の主力製品はアクセサリー -
第695回
スマホ
84万円の縦折スマホ「VERTU IRONFLIP」はどこかで見たことあるデザイン -
第694回
スマホ
シャオミの最強カメラスマホ「Xiaomi 14 Ultra」の技適を確認! 日本発売ある!? -
第693回
スマホ
衛星スマホやクラウドノートPCなど、UNISOCチップ搭載の謎端末がアツイ! -
第692回
スマホ
ライカの有無で画質はどう違う? Xiaomi 13T Proの日本版とグローバル版の写真を比較 -
第691回
スマホ
「Hotpepper」なるメーカーのスマホをMWCで発見! アメリカで復活してた老舗中国メーカー -
第690回
スマホ
ファーウェイの最新縦折りスマホ「Pocket 2」は4カメラ搭載のエレガントなモデル -
第689回
スマホ
Meizuがスマホから撤退、AIデバイスメーカーへの転身を図る - この連載の一覧へ