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コロナ渦のいま、サイボウズ青野慶久氏とさくらインターネット田中邦裕氏が大いに語る<後編>

ポストコロナの時代、人々はようやくインターネットを使うようになる

2020年07月16日 10時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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オールウェイズコネクテッドで企業のインフラ設計は変わる

大谷:青野さんがおっしゃっていた「インフラ強化」って、半分はさくらインターネットへの期待やエールだと思うのですが、田中さんはいかがですか?

田中:実際、オールウェイズコネクテッドになると、企業のインフラの作り方が変わっていくと思うんです。今までって最低限しか作っていなかったので、非常時が来たら、すぐにサービスも停止していましたが、その考え方が変わります。インターネット前提、クラウド前提になっていくと思います。

「オールウェイズコネクテッドになると、企業のインフラの作り方が変わっていくと思うんです」(田中)

とはいえ、インターネット前提でインフラを作っていっても、オンプレミスであれば障害があったら、止まりますよね。スケールできないし、メンテナンスのためにデータセンター行かなければならない。社内にシステムを置く限り、VPNが必要になってきます。でも、内と外という考え方を持った段階で、入られたらもう終わりですよね。だから、最近では「ゼロトラスト」を全社で進めようと思って、専任を設けました。

大谷:では、セキュリティまで含めたクラウドへの移行が大きなテーマなんですね。KADOKAWAグループもこの在宅勤務期間にかなりのシステムがクラウドに移行しました。

田中:とはいえ、恥ずかしながら、6年前の対談のときにオンプレだったサイボウズガルーンのサーバーは、いまだにオンプレなんです(笑)。だから、ガルーンにつなげるときはいまだにVPNが必要でかっこわるい。でも、社内でシングルサインオンの仕組みを作ったし、オンプレと言ってもさくらのIaaS上にサーバーがあるので、インターネットからもセキュアにアクセスできるようになっています。

本当はSaaSに行くのが一番なのですが、一足飛びにSaaSに行けないお客様も多い。だからせめてクラウド化しようとは思いますし、そこのお手伝いは続けていきたいです。実際、クラウド移行のためにさくらが作ったツールは、今後サービスとして提供していきますし、パートナーも巻き込んでサーバー移行を進めていきます。

大谷:そこは日本の多くの会社が進めていると思うので、さくらにはどんどん推進してほしいです。

田中:とある会社でオンプレミスだった勘定奉行のサーバーをクラウドに移したとき、情シスの人は仕事が減ると不安になっていたらしいですが、最近はRPAのプロジェクトでめちゃくちゃ活躍されているみたいです。

大谷:それは素晴らしい話ですね。情シスの役割も変わっていきますね。

個性がなければクラウドのエコシステムには入れない

大谷:サイボウズと同様、最近はさくらも社会インフラを支える立場になってきましたよね。

田中:典型的なのは、いわゆるスパコン案件ですね。たとえば、NICTの音声エンジンのサーバーを今まではオンプレでやっていたのですが、これを受託でクラウド化しています(関連記事:さくらインターネットのGPUパワーがNICTのディープラーニング翻訳に活用)。かなりの数のGPUが必要になるので、パブリッククラウドだと割に合わず、さくらがカスタマイズしたクラウドを提供しています。最近だと人工衛星ひまわりのクラウドもうちがやっています。

青野:ちゃんと社会インフラになってますねー。

大谷:6年前もAWSやAzure、GCPなどの台頭は予想していたのですが、こうしたパブリッククラウドとは違う国産クラウドとしての存在意義をきちんと確保したということですね。

田中:結局、パブリッククラウド事業への本気度だと思います。NTT Comさんはcloud(n)をやめても、会社つぶれないですよね。でも、うちの会社はクラウドがこけたら、つぶれてしまいます。だから、ここはサイボウズさんも共通だと思うのですが、事業の本気度が違います。優秀なエンジニアをサービスに割り当てているので、トラブル多かったさくらのクラウドも、結局なんとかなりましたからね。

青野:組織の壁を超えてつながれるクラウドの時代を生きていこうと思ったら、私たちは「こういう貢献ができます」という強みを明確にしないといけません。「これだけは任せろ」という部分がないと。「なんでもできます」というプレイヤーは、オープンであっても、輪の中には入れません。

田中:まさしくそう思います。日本のSIerって「なんでもできます」「なんでもやります」って言いますが、やっぱりその文化をなくさないといけないです。ほしいモノを提供するのではなく、やりたいことに寄り添って、自分たちなりの提案ができるほうがいい。

青野:6年後、個性が際立ってない会社は、生き残ってないかもしれませんね。

田中:あとは従業員サクセス(ES)とカスタマーサクセス(CS)ですね。だから、自分たちに個性があることに加えて、従業員が幸せであること、そしてお客様が成功していかないとうまくいかないと思います。

大谷:ありがとうございました!6年後にまた対談やりましょう。
 

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