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コロナ渦のいま、サイボウズ青野慶久氏とさくらインターネット田中邦裕氏が大いに語る<後編>

ポストコロナの時代、人々はようやくインターネットを使うようになる

2020年07月16日 10時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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コロナ前に戻ってしまう会社は消えていい

大谷:でも、緊急事態宣言が終わったら、戻るんでしょうか? まあ、戻るところは戻ってしまうという答えしかないんですが。

青野:あえて破壊的な言い方しますが、「(緊急事態宣言前に)戻ってしまう会社は消えてなくなっていい」とは思います。今回のコロナ騒動を前向きに乗り越えて、先に進んでしまう会社がどんどん出てきますからね。これからもテレワーク進めますとか、印鑑を廃止しますみたいな会社が増えてきたら、若者はそっちに行きますよね。

「(緊急事態宣言前に)戻ってしまう会社は消えてなくなっていい」とは思います(青野)

田中:青野さんが先ほどおっしゃっていたように人手不足は、けっこうキーポイントだと思います。(国内市場が)しぼんでいく中でも楽しくやろうぜみたいな人もいますが、今回のコロナ騒動を経て、われわれは、そんなに出張行かなくてもいいし、そんなにモノを買わなくてもいいことに気がついたんです。車だってつねに新車に乗る必要ないし、残飯になるほど食べ物を用意しなくてもいい。今まで効率化を謳っていながら、社会が無駄をいっぱい作ってたわけです。

青野:今まで贅沢していたというのは適切な表現じゃないかもしれませんが、必要以上に環境負荷をかけていたのも事実。今回のコロナウイルスの件で環境問題も一部改善したという話ですから、僕たちは二酸化炭素をきちんと減らせることにも気がついたんです。

大谷:本当にそう思います。

田中:もちろん、飲食店みたいな産業をどうするといった話もあるのですが、これだってサブスクリプション導入の機運ですよね。今まで飲食でサブスクというと食べ放題というイメージありますが、コストコみたいな会員制でいいと思うんです。休業中だってプッシュ通知でお知らせできるし、会員制だったら住所もわかるので、お店の食材で作ったモノを冷凍で送るとか、いろいろなサービス考えられます。

大谷:サブスクで安定収入があれば、非常時には修行に行って、落ち着いたらその腕を振るうみたいなこともやりやすいですよね。

田中:飲食店の重しになっている固定費に均衡するくらいのビジネスは、本当に作りたいと思いますね。

青野:昔のSIは仕様書通り作って納品してしまえば、動かなくてもOKみたいな悪徳さがありました。いわゆるSIのサブスクをやっているソニックガーデンの倉貫さんは、やはりサブスクだと手が抜けないと言ってますよね。だから、田中さんのおっしゃるとおり、社会全体がサブスクに移行すれば、悪徳ビジネスが淘汰されてくると思います。

サイボウズは社会インフラも担う立場になっていく

大谷:次にサイボウズとさくらインターネット、あるいは青野さん、田中さんが、どういう活動をするかを聞いていきたいです。

というのも、ポストコロナの時代、ITや通信を担う企業の役割って、今までになく大きくなっていると思うんです。在宅勤務の急増でトラフィックは急増しているし、マスクの販売サイトがダウンするだけで社会問題になりますよね。こうした中、2028年に向けて、なにをやっていくかとても興味あります。

青野:先ほど私は「人類がようやくインターネットを使うようになる」と言いましたが、それに向けて、まずはインフラを強化しなければいけないと思います。これだけ光ファイバーを引いたのに、まだ足りないということに気がついたので。

また、このタイミングで5Gが登場しているのが面白いですよね。先ほど田中さんが言っていたオールウェイズコネクテッドのモバイル通信が離陸しようとしていて、8年後にはインターネットをインフラとした社会で暮らしているのではないかと思います。

大谷:こうした社会の中、サイボウズはどうなっていくのでしょうか?

青野:サイボウズも最近、そういう社会インフラ的な案件が増えています。

たとえば、神奈川県が県内の病院での情報収集のためにkintoneを入れてくれました。症状にあわせて病院を階層化する神奈川モデルを作って、これを全国に展開しようとしています(関連記事:神奈川県、新型コロナに関する情報収集にkintoneを活用)。

昨日は大阪府の生野区がコロナで増加が心配されている虐待防止のための情報プラットフォームにkintoneを導入してくれました(関連記事:サイボウズと大阪市生野区が児童虐待防止で連携、3年間無償でkintoneを提供)。学校だけではなく、自治体やNPOなど組織横断でつながるのですが、なんだかインターネットっぽいじゃないですか(笑)。

これからの未来はインターネットになっていくので、サイボウズも企業内の情報共有にとどまらず、社会インフラを支える情報共有の会社に変わっていかなければいけないなと思っています。

大谷:確かに、いままでのサイボウズって組織や社員の情報共有にフォーカスしてきましたが、今回のコロナで会社に行く理由とか、会社や仕事の意義を改めて定義しなおしてみれば、壁を越えた情報共有が必要になってきましたよね。

青野:法律上の定義があるので企業という枠をわれわれは重視しがちなんですが、本質的なチームって目的に対して、メンバーがいるわけだから、今回のコロナ騒動で目的がずれるとその枠の意味のなさを痛感しますよね。ネットによって、目的にそったチームが浮き彫りにされていくような、そんな感覚がありますね。

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