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ヤフーのCDOもゲスト出席、「COVID-19データハブ」に見る「データを効果的に活用する力」

「データ」が牽引するコロナ禍からのビジネス再始動、Tableau

2020年07月06日 07時00分更新

文● 五味明子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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ヤフーも47都道府県の「往来量分析データ」をビジュアライズし公開

 数は決して多くはないが、日本国内でも自ら開発したツールやダッシュボードをデータハブで公開する企業/個人は存在する。その代表ともいえる企業がヤフーだ。ヤフーは3月から、東京都と近隣県との往来者数推移や東京23区の来訪者数などの日次データをオープンデータとして公開するなど、約2カ月間で30件を超えるレポートを公開している。今回、その一環としてTableauと協力し、4月20日にオープンデータとして公開した「47都道府県/主要都市における往来量分析データ」を視覚化したダッシュボードを、上述のVizギャラリーで無償公開している。

ヤフーがVizギャラリーに公開した「47都道府県における往来量分析データ」は都道府県や主要都市の来訪者/往訪者/その両方のデータを細かく追跡できるダッシュボード。平日と祝日、首都圏のみなど、さまざまなフィルタリングが可能

 説明会に登壇したヤフー 執行役員 CDOの佐々木潔氏は、今回のダッシュボード公開について、「ヤフー社内では以前からTableauを使った分析を行ってきたが、われわれが提供するオープンデータをTableauで視覚化し、一般に公開するのは初めてとなる」と述べたうえで、その反響が大きかったことから、今後もCOVID-19関連のデータを積極的に公開していく姿勢を見せている。

 「公開以来、非常に多くの反響をいただき、メディアやソーシャルで紹介されるケースが増え、より多くの人々にヤフーのデータビジネスに注目してもらうきっかけとなった。ヤフーはデータ活用をビジネスにしているが、ヤフー以外の日本企業にもヤフーのデータを活用してそのパワーを実感してもらいたいと思っている。データの力で日本を元気にしていきたい、その思いはおそらくTableauと同じであり、企業として見ている方向性が同じだと認識している」と語っており、

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 「5年ほど前まではデータドリブンな日本企業は多くはなかったかもしれないが、いまは以前とは状況が違っている。企業規模を問わず、先進的なデータ活用を実現している企業は増えている。グローバルと比較して課題があるとするならば、『データ量』の問題が大きいかもしれない」

 説明会の最後、佐藤氏は日本企業のデータドリブン経営に対する姿勢の変化についてこうコメントしている。その変化は、新型コロナウイルスという外圧により急激に大きくなりつつある。データを使うだけでなく、米国のようにデータやツールを公開し、エコシステムを拡大する流れが確たるものになれば、流通するデータ量は間違いなく増えていくだろう。そしてデータがビジネスの基盤になることで、日本企業の課題であるデジタル化も同時に進んでいくことが期待される。COVID-19データハブのように視覚化されたデータが揃っているギャラリーは、そうしたトレンドを後押しする存在といえるかもしれない。

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