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MacのCPU変更がついに発表! 「WWDC 2020」特集 第11回

ハードもソフトも生まれ変わるMacへの期待が膨らむ

【WWDC20 基調講演】アップル、今後の大きな変革を暗示

2020年06月24日 16時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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iPadOSとの共通化を目指すようにも思える「macOS Big Sur」

 macOSの次期バージョンは、macOS Big Surと呼ばれる。今回はなぜかその名前に引っかかりを強く感じた。最近のmacOSのバージョンごとの愛称は、アメリカのリゾート地シリーズとなっているので、「Big Sur」もその1つだとは想像がつくが、特に一般の日本人には、これまでに増してまったく馴染みのない名前だ。これは、やはりカリフォルニア州中西部にある海岸地帯のリゾート地の名前だという。

 気になるのは、その地名の由来だ。言うまでもなく、「大きなSur」という意味だろうが、これはもともと「Sur」という場所がどこかにあって、それを大きくしたような地形だから、そう呼ぶことにしたものと想像できる。たとえば、New York(新しいYork)のように、もともとYorkという地名がヨーロッパ(この場合はイギリス)にあって、そこから来た移民が、懐かしさを込めて、そう付けたようなもの。

 調べてみると、Surという地名は英語ではTyreとも綴るが、もともとアラビア語で、「スール」に近い発音の町の名前のようだ。レバノン南部の地中海沿岸にある古代フェニキアの海港都市だという。おそらくそこから新大陸に渡った人が、そこに似た、もっと大規模な地形に出会い、Big Surと付けたのではないだろうか。フェニキアと言えば、ヨーロッパやアメリカの、ほとんどすべてと言ってもいいほど多くの国々の言語が使うアルファベットの元となったと言われるフェニキア文字発祥の地だ。深堀りし過ぎかもしれないが、そこから現在のアップルデバイスのすべてが派生し、今後はCPUのコアも共通化して、改めてアップルデバイスの中心となっていくMacを意識したネーミングなのではないかと思えてくる。

 それはともかくとして、今回発表された範囲でのBig Surの特徴は、次に述べるApple Silicon上で動くバージョンが登場することを除けば、主なところはユーザーインターフェースの変化に集約される。Mac OS Xの登場以降、初めて大きな変更が加えられると言えるのかもしれない。ただしそれは、新たなインターフェースの導入というよりも、見た目も操作性も、iPadOSとの共通化を目指すもののように思える。

 macOSにもiOSやiPadOSでおなじみのコントロールセンターが導入される。またiOS 14と同様のウィジェットも利用できるようになり、ホーム画面ならぬデスクトップ上に配置できるようだ。さらに以前からあるMac Catalystも強化され、iPadOS用アプリをmacOSに移植する際の自由度も増すという。

 実際に製品として登場するころには、また別の特徴も明らかになっていそうな気もするが、今のところはApple Siliconの採用の影に隠れてしまうような小さな進化でしかないように見える。ただし、古くからのMacユーザーとしては、一種の拒絶反応を起こしかねない方向の進化かもしれない。

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