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石川温のPCスマホニュース解説 第72回

はたして黒字化できるのか:

楽天モバイル「捨て身覚悟」の対抗策

2020年04月13日 09時00分更新

文● 石川温 編集● ASCII

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●ほとんど「捨て身覚悟」の料金改定

 ただ、楽天モバイルは、パートナーであるKDDIに対して、1GBあたり465円を支払っているとされる。つまり、ユーザーがパートナーエリアで5GBを使うと2325円、楽天モバイルはKDDIに支払わないといけない。月々2980円のプランで2325円が他社にいくというのは、なかなかシビれる料金設定だ。

 楽天モバイルは手元に残るユーザー一人当たり数百円で、全国に基地局を整備しつつ、携帯電話事業を経営していかないといけない。

 このパートナーであるKDDIへの支出を減らすには、一刻も早く、自前の基地局を全国に立てまくる必要があるのは間違いない。ただ、ユーザー一人当たりの収入が下がる中、一方で、基地局建設に対する設備投資費を捻出するのも相当、苦労することになりそうだ。

 今回、大盤振る舞いというか、捨て身の覚悟で料金改定を行った楽天モバイル。ユーザーは集まるだろうが、今後、どのように設備投資をしつつ、事業全体の黒字化に持っていくのか。興味深いところだ。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

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