メモリー保護を改良
動画エンコードとオーディオも強化
GPU周りで言えば、メモリー保護周りについても改良があった。
AIDA(AMD Integrated Device Translation)はアドレス変換機構の一部である。昨今のGPUは仮想化環境に対応しており、例えば複数のゲストOSからのフレームバッファへのアクセスをうまくこなせるようになっているが、内蔵GPUではこの仮想化環境への対応が十分ではなかった。
このため、複数のゲストOSからのアクセスがあった場合、OSごとに異なるフレームバッファ領域を設けるという実装になっていた。Renoirではこれを1つのフレームバッファ領域でこなせるようにしたことで、メモリー利用量そのものを削減できるようになった。
ちなみにGPUの一部として提供されてはいるが、独立したものとして動画のエンコーダー/デコーダーがある。そもそもRaven Ridge/Picassoから、エンコーダー/デコーダーはVCN(Video Codec Next)と呼ばれているが、これが第2世代のVCN2になった。
性能的にはRadeon RX 5000シリーズに搭載されているもののサブセットというあたりで、H.264のみ4K120fpsのデコードが可能だが、あとはすべて4K60fpsないし2K240fpsのエンコード/デコード性能となっている。
Radeon RX 5000シリーズでは、H.264が4K150fpsデコード/4K90fpsエンコード、H.265が4K60fpsデコード/4K90fpsエンコードと、ややエンコード性能が高いのは、おそらくe-Sportsの配信を念頭に置いたものと思われる。ただRenoirの場合、単体でe-Sportsの配信はやはり厳しいので、そこまで高い性能は要らないと判断されたのかもしれない。
動画のついでにオーディオに関しても、Raven Ridge/Picassoの時代からACP(Audio CoProcessor)は搭載されていたが、これがかなり強化されている。

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