日本マイクロソフトは、これを“お客様に寄り添う”と解釈
「お客様に寄り添うマイクロソフト」という言葉は、日本マイクロソフトが独自に使い始めたものだ。そして、これは、2019年10月に日本マイクロソフトの社長に就任した吉田仁志社長が社長就任後、初めて対外的に打ち出した言葉でもある。
では、なぜ、吉田社長は、新たに「お客様に寄り添うマイクロソフト」という言葉を使い始めたのだろうか。
その理由を、吉田社長は次のように語る。
吉田 「マイクロソフトは、長年に渡り、ソフトウェアライセンスを売ることに特化した企業であった。1000ライセンスが必要な会社には、1000ライセンス以上を販売するという力を持った企業であり、バージョンアップによる更新時期には、しっかりと買い替えてもらう仕組みを確立していた。
だが、クラウド時代になって、それが通用しなくなった。クラウド時代は消費型ビジネスであり、買ってもらうことが重要ではなく、使ってもらうことが重要である。そして、使ってもらうためには、役に立たなくてならない」
そう前置きし、
吉田 「これは、社員の意識や行動の変化、営業プロセスの変化にもつながる。かつては、マイクロソフトの製品のことを理解し、その良さを説明すれば売れたが、いまは、お客さまの業務や課題を理解し、それを解決しなくては使ってもらえない。そして、クラウド時代は、売って終わりではないため、営業活動にも終わりがない。これまでの『セールス』という言い方ではなく、『カスタマサクセス』という言い方が適している。つまり、いまの時代は、お客様の成功なしには、日本マイクロソフトの成功もないということになる」
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