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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第548回

Ryzen 4000はインテルを圧倒できる性能になる AMD CPUロードマップ

2020年02月03日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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Renoirのダイサイズを考察
8コアで42平方mmほどの面積か?

 さて、発表会の資料はこの程度であるが、もう少し内部を解析しよう。まずはダイサイズについて。本間文氏のレポートの中でパッケージ写真が示されていたが、やや画像サイズが小さい。そこで本間氏にお願いしてオリジナル画像を送ってもらい、トリミングとサイズ補正を施したのがこちらである。

これは本間文氏撮影の写真をレタッチしたもの。縦横の比率は、右上の2次元QRコードがちょうど正方形になるように調節した

 一方、Raven Ridge世代(のES品)のパッケージは連載412回で紹介している。仮に両方のパッケージのサイズが同じだとすると(見た限りでは同じFP5に見える)、RenoirのダイサイズはRaven Ridgeの66.7%ほどのサイズになると推定される。これは画像内のパッケージサイズとダイサイズの比からの類推である。

 Raven Ridgeのダイサイズが209.78mm2とされるので、ここからRenoirのダイサイズは139.9mm2ほど。おおむね140mm2と推定される。

 さて、この数字は正しいだろうか? 逆に内部のブロックサイズを推定してみたい。AMDは現時点でZen2ベースのダイの内部写真を公開していないが、Fritzchens Fritz氏がWikimediaにRyzen 5 3600のダイの表面を剥離させた写真をパブリックドメインとして公開しているので、ありがたくこれを使わせていただくことにした。

 画像を変形させて、真上から見た形にしたのが下の画像である。

ダイ中央を左右に走る部分が、I/OチップレットとつながるInfinityFabric用のI/Fと思われる

 内部を見ると、左上のブロックは下の画像のようになっていると思われる。

4つのL3 Blockの間を上下に走る部分は、3次キャッシュの制御部であろう

 Zen 2(既存のRyzen 4000シリーズ)の場合、3次キャッシュ容量がCCXあたり16MBになっている。つまり1コアあたり4MB相当になるわけだが、Renoirの場合は1コアあたり1MB、CCXあたり4MBまで3次キャッシュが削減されている計算になる。

 となると、Renoirの1コアあたりのレイアウトは画像の下側のようになると思われる。Matisseのダイサイズは74mm2と発表されており、画像サイズの比率から推定すると、Renoirでは1コア(+1MB L3)あたり5.25mm2ほど。これが8コアで42mm2ほどの面積になると推定される。

3次キャッシュの右のコントロール部は、とりあえず半分に減らしたが、おそらくもっと小さくなる

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