仕事でもプライベートでも海外渡航が多い筆者ですが、「Xperia 1(SO-03L)」を使う際に、ちょっとめんどうなことがあります。それがSIMの差し替え。キャリア版のXperia 1なので、シングルSIM仕様というのがネック。最近はAISのSIM2Flyのように割安で世界各国で使えるSIMを使うことも多く、デュアルSIM仕様のAndroid端末なら国内SIMと海外SIMを挿しっぱなしにしておけます。
また、iPhoneはeSIMを採用しているので、海外での利用時はeSIMを使うことで、やはりSIMの抜き差しが必要ありません。
これを解消するには、デュアルSIM版の「Xperia 1 Professional Edition」を購入するしかないのですが、税抜14万3000円と気軽に買える価格ではありません。それにセカンドSIMスロットはmicroSDと排他仕様なのも動画をたくさん撮る筆者にはマイナスポイント。
そこで世界200の地域を同一料金で通信可能な「Google Fi」のSIMを挿して、SIMを抜き差しせずにモバイル通信ができるようにしてみました。筆者は2019年11月にアメリカへ行った際に、Googleから借りている「Pixel 4」でGoogle Fiの回線を開通しています。
ただし、Pixel 4はeSIMでの開通。そこで開通した回線にプラスしてカードタイプの「データSIM」を発行。アメリカに住む知人宅を配送先にして受け取りました。
このデータSIMはメイン回線の契約とデータ通信をシェアして利用します。ドコモの「データプラス」と同じような仕組みですが、最大4枚まで発行可能で追加料金も必要ありません。
ちなみに、アクティベートしていないメイン回線の番号を移せるGoogle FiのカードSIMも持っていますが、あえてデータSIMにしたのは「アメリカからの通話着信の多さ」が理由です。アメリカはいまだに通話文化のようで、開通したPixel 4にアメリカからよく電話がかかってきます。以前の電話番号を使い回す期間が短いようで、いわゆる間違い電話のほか、自動応答の勧誘電話も多いです。時差の関係で夜中に着信することもあり、これはこれで迷惑です。
というわけで、手元に届いたGoogle FiのデータSIMを開通します。指定されたURLにアクセスして、SIMに記載されているシークレットコードを入力。あとはXperia 1にGoogle FiのSIMを装着。通知領域にアクティベートの案内が表示されているので、タップするとGoogle Fiアプリが起動します。この時点では電波を拾わずモバイル通信はできませんが、自宅のWi-Fiで作業はできました。アメリカへのVPN接続なども不要でした。
メイン回線にもできるGoogle FiのSIMカードにもシークレットコードはあるのですが、データSIMとは桁数も使われている文字も違っています。さらにSIMのデザインも違うので、データSIMを発行するには、まずメイン回線を契約しないとダメですね。
Google FiアプリはXperia 1でもダウンロードできました。回線契約済みのアカウントならダウンロードできるようですが、機種によってはできないケースもあるようです。あくまで自分のケースではXperia 1でダウンロードできたということで。
アクティベートが完了すると、すぐに電波をキャッチ。接続先も「Google Fi」になっています。APNはGoogle Fiアプリが書き込んでくれたのか、SIMの開通度には自動で登録されていました。
通信速度をテストすると、接続先が海外サーバーでPingが207ミリ秒でも、下り112Mbps、上り6.32Mbpsを計測しており、普段使うには十分な品質。さらに公式サイトでは、テザリングはサポートしていないと書かれていますが、こちらも問題なく使用できています。
これで世界中ほとんどの国でSIMを抜き差しせずにモバイル通信ができる「Xperia 1」が完成しました! 今後は海外渡航時の手間がグンと減ります。が、Google Fi回線を持っているユーザーは限定されますし、現地プリペイドSIMとXperia 1の使い勝手も気になりますので、今後も海外でのSIMの抜き差しネタは続けていきます!
※Xperia 1(SO-03L)/Android 9で検証しました。
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