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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第545回

ハードウェアから撤退し株価急落、迷走するHP 業界に多大な影響を与えた現存メーカー

2020年01月13日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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セクハラで失脚したHurd氏
内偵で社内規約違反が発覚

 HPの業績を大きく改善したHurd氏だが、直接的な失脚は契約社員に対するセクハラを行なった旨、提訴されたことである。相手は2007~2009年に同社の社長室に対してコンサルタントとして契約していたJodie Lin Fisher氏

 Fisher氏は若い頃(1980年9月)はPlayboy誌にカバーガールとして出演したり、ポルノ映画(ただし当時のことなのでソフトコアらしいが、筆者もそこまで確認はしていない)に多数出演していたり、という要するに女優であり、少なくとも2007年までは米NBCでAge of Loveというドラマに出演したりしていた。

 Fisher氏がなぜコンサルタントに転身したのかは不明だが、その後もまた女優業に戻っておられるあたり、副業に近かったのかもしれない。氏の説明によれば、国内外で行なわれる重要顧客や重役向けのサミットイベントの業務対応だったとのこと。常勤というよりは本当にイベントがある時だけのパートタイム勤務だったのかもしれない。

 そのFisher氏は2010年6月にHurd氏をセクシャルハラスメントで提訴する。この提訴そのものはすぐに法定外和解が成立しているのだが、この提訴を受け止めたHPは、取締役会監督の元でHurd氏の素行を徹底調査。

 この結果、社内のセクシャルハラスメント規定違反そのものは見つからなかったものの、経費の不正請求を含む社内規約違反が発覚。取締役会で辞任を勧告され、2010年8月6日にCEOと会長の両方の職を辞任した

 表向きの理由は社内規約違反ではあるのだが、規約違反ではないレベルで言えばもっといろいろあった、と言うことも解任の理由となるだろう。

 最大のものは利益の私物化(ただし合法)である。例えばHurd氏が2008年に受け取った給料の総額は3995万2237ドルにおよぶ。内訳は基本給が145万ドル、株式が790万7660ドル相当、ボーナスが2393万1882ドル、それに補償その他で66万2695ドルである。

 同様に2009年は総額で2420万1448ドルを受け取っており、内訳は基本給126万8750ドル、株式664万8092ドル、ボーナスが1580万9414ドル、そして補償その他が47万5192ドルである。

 もちろん連載543回で示したように、2008年は83億2900万ドル、2009年にも76億6000万ドルというかなり高い純利益を叩き出しているわけで、それなりにボーナスが弾まれることそのものは間違っていないし、これは取締役会が承認した金額だから合法ではある。

 問題はこうしたボーナスが、Hurd氏を含むごく一部にしか渡っていなかった事だ。Hurd氏の時代に、それまで続いてきたProfit Shareing(会社利益の5%以上を、従業員に分配する)の習慣はコストカットという理由で廃止され、その一方でHurd氏のいわば身内ともいえる一部の重役に、総額で1億3000万ドルものボーナス(Hurd氏が受け取ったボーナスもここから出ている)を支払うという行為は、客観的に見てどうか? という話である。

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