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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第72回

工場視察時には「別の顔」も見せた:

アップル ティム・クックCEO来日の真意は

2019年12月12日 16時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura 編集● ASCII

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●教育に注力する理由はエンジニア育成

 ティム・クック氏は米国のニュースに対し、プログラミングなどのスキルがあれば、4年制の大学を出ていなくてもアップルで働くことができると発言しており、「4年制の大学の単位はスキルではない」とも語っています。

 大学の学位は、学問を修め、新たな知識の探究ができることを証明するものであり、良い企業に就職することを目指したものではありません。ただし世界を見ても、結果的には企業は高い学歴の人を採用したい傾向にあることもまた事実です。

 アップルほどの巨大な企業であっても、あるいはシリコンバレーに本拠地を置いていても、エンジニア不足は痛感しているようで、プログラミングができる人を求め続けています。その様子が、Apple Storeでの子ども向けイベントで、積極的にプログラミングを取り入れている様子にも現れてきます。

 12月8日はApple表参道で球体のロボットを用いたプログラミングのセッションを視察しましたし、12月9日はApple丸ノ内にフィールドトリップでやってきた立教小学校3年生のSwiftのクラスに飛び入り参加しました。

未来のエンジニア候補?

●プログラミング教育必修化も「歓迎」

 プログラミングのスキルについては、エンジニアになる・ならないを問わず、より多くの人々が身につけるべきだとして、日本のプログラミング必修化も歓迎の姿勢を見せました。その上で、Apple Storeでのカリキュラムが日本の学校での必修化されるプログラミングの授業の助けになるとも語りました。

 アップルの教育への取り組みはこれまで、教育向けにコストをおさえたモデルを用意する、ハードウェアによるアプローチを採ってきました。しかし現在、その役割はいまiPad(第7世代)が一手に引き受けてあまりあるほど、このiPadはパワフルでコストパフォーマンスに優れたモデルになりました。

 だからこそ、Apple Storeでのカリキュラムの充実に力を入れ、そこへ子どもたちを呼び込み体験をさせることで、アップルが考えるテクノロジー教育の方向へと誘導しようとしているように感じました。

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