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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第540回

サーバーをItanium 2に変えざるを得なかったHP 業界に多大な影響を与えた現存メーカー

2019年12月09日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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縦置きにしてデスクサイドでも使えた
Integrityシリーズ

 Superdomeは、HPのハイエンドサーバーシステムで、2000年にPA-RISCベースの製品がまず投入されている。実をいうと後述するIntegrityもハイエンドはSuperdomeに分類されているようで、外部からはすこしわかりにくい感じになっている。

 だいぶ後になるが、2010年に第2世代となるSuperdome 2(正確にはIntegrity Superdome 2)が発表された記事があるが、もうこのあたりになるとHP 9000というブランドそのものがほぼIntegrityに統合されてしまった感がある。

 要するにRISCベースのUNIXワークステーションという市場がx86+Linuxに飲み込まれた結果として、HP 9000のラインそのものが消えたのではないかと思う。

 Superdomeの話は後でするとして、まずはIntegrityの方を。ワークステーション向けにHP i2000やzx2000/6000といった製品は出荷され始めたが、これはAlpha Workstationの代替にはなっても、TandemのNon-stop系列やDEC/COMPAQのAlpha Serverの後継としては不十分であった。

 そこで既存の製品ラインとは別に、改めてItaniumベースのサーバーの構築を開始する。2003年9月に登場したのがIntegrity rx2600シリーズである。

 Integrity、という名前はかつてTandemがUNIXベースのNonstop製品につけていたブランド名であるが、こちらのIntegrityシリーズはMIPSベースのもので、2002年にはR14000ベース、2004年にはR16000ベースの製品が投入されている。

Integrityシリーズ。2003年の時点では、同じなのは名前だけだったわけだ

 Nonstop向けのIntegrityはこの後2005年に投入されるが、これと並行して同じIntegrityの名前を冠しつつ、まったく別のItaniumベースの製品が用意された形だ。

 最初のIntegrity rx2600は、ベースとなるワークステーション向けであるHP zx6000にzx2000の拡張性を引き上げたような構造で、Madison/Deerfieldの2P構成ながらメモリーは最大12GB(1GB DIMMが利用可能になったら24GB)になっていた。

 また当初から2Uラックサイズでの提供を前提にしており、必要ならこれを縦置きにしてデスクサイドで使うための台座も提供されていたが、基本的にはラックに収めるタイプの構成である。

機械的形状を別にすると、2P構成が可能なのがzx6000の最大の違い。それはともかく、2Uラックを90度回転して縦置きにするのはいいが、デスクサイドというにも奥行きがありすぎる気がする

 Integrity rx2600はこのzx6000をベースにしつつ、若干CPUの動作周波数を引き上げた構成で提供された。対応するOSはおおむねzx6000に同じながら、さすがにWindows XPなどのサポートはなく、Windows Server 2003 64bitのみになった。また、このIntegrity rx2600ではOpenVMSのサポートが追加されている。(続く)

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