このページの本文へ

業界人の《ことば》から 第369回

パナソニック 液晶パネル自社生産から撤退の背景とは

2019年12月10日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

液晶パネルの競争力維持は困難

 品田社長は、2019年4月からパナソニック アプライアンス社の社長に就いたが、それ以前は、テレビ事業部を率いた経験がある。

 自ら率いたテレビ事業を大胆に変えていこうというわけだ。

 「テレビ事業における最大の資産はパナソニックというブランドである。すでにテレビ事業を撤退している北米のテレビ市場においても、パナソニックブランドは価値を持ち続けている。この価値をどう生かしていくかが、テレビ事業においては鍵になるだろう」などとする。

 ちなみにパナソニックは先頃、液晶パネル生産の終了を発表している。

プレスリリースから

 兵庫県姫路市のパナソニック液晶ディスプレイが生産している液晶パネルを、2021年をメドに終了。パナソニックの津賀一宏社長は生産終了の理由を「液晶パネル事業は、もう一度持続可能な形に戻せないことはないが、長い時間がかかる。そこで、競争力の維持が困難であると見極めた」と説明。

 「液晶を生産していた姫路工場(パナソニック液晶ディスプレイ)は、将来的には車載用角形電池の工場に変えることになる」とした。

 パナソニック液晶ディスプレイは、2008年8月に、前身となるIPSアルファテクノロジをパナソニックが連結化してスタート。2010年4月から、テレビ向け液晶パネルの生産を主軸として事業を展開してきた。しかし、2016年8月にはテレビ向け液晶パネルの生産を終了。車載、産業分野向けに生産をしてきたが、その生産もいよいよ終了することになる。

 構造改革のメスは、テレビ事業以外にも及ぶ。

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ