上位機種は自社で、下位機種は委託生産
かつてパナソニックのテレビ事業は、パネルを自ら生産し、それを使って自らテレビを組み立てて、市場に投入してきた。すでに自社パネルの使用は終了しているが、今後は、生産面でも他社との協業を含む体制へと大きく転換を図ることになる。
具体的には、自社技術による付加価値が提供できる上位機種は自社開発を継続する一方、下位機種は他社協業によって製品ラインアップを揃える考えであり、製造においても、自社生産は上位機種だけに限定し、下位機種は生産委託の体制へとシフトする。委託生産するテレビについては、協業先で生産する他社向けテレビと同じ部品を使用して生産することになる。
また、技術開発においては、コア開発は自社で行なうものの、非コア開発は協業先が担当するという分担体制を敷くことになる。
「開発コストを縮小し、成長領域へのリソースシフトを実施する。自社生産を縮小することによって生まれる生産設備は、ほかの事業の商品生産を優先的に検討することになる」とした。
テレビを支えるパネル技術は、液晶、プラズマから、マイクロLEDや有機ELへと変化しつつあるものの、次世代技術の候補が乏しいと判断。「テレビ需要を喚起してきた技術進化が停滞し、市場全体が縮小すると予測している」とする。
また、最高画質を実現する8Kの普及が、フルHDや4Kに比べて限定的であるといったことも、将来のテレビ事業の成長にはマイナス要因だと見ている。
さらに、中国メーカーの安値攻勢による価格下落といった急激な環境変化もテレビ事業の業績悪化につながったと指摘。「こうした変化に対応し切れなかった反省がある」(品田社長)と振り返る。
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