アマゾンジャパンは12月4日、スマートスピーカーEchoシリーズの最上位機種「Echo Studio」(エコースタジオ)の新製品説明会を開催した。会場では一足先にその実力を体験できた。
Echo Studioは、Echoシリーズの最上位に位置づけられる製品。出力は合計330W。上方および左右に配置した2インチのミッドレンジユニット、センターに配置した1インチのツィーター、そして、下方に向けて配置した5.25インチのウーファーという合計5基のユニットを積む。
この5つのスピーカーユニットを駆使し、三次元的な音楽再生が可能になっている。また、再生中に周囲の環境(壁や天井の反射)をマイクで計測しながら、サウンドを自動的に調整する機能なども取り入れている。非常に多機能な製品でもある。Amazon Music HDでは、ドルビーアトモス音源に加え、ソニーの360 Reality Audio対応音源もリリースされる予定。Echo Studioはこれらの音源の再生に適した能力を持つ。
Echo Studioの発売に合わせ、Amazon Music HDで
ドルビーアトモスや360 Reality Audio音源の提供を開始
円筒形の本体は、直径175mm、高さ206mm、重量3.5㎏。本体には3.5mmアナログ/光デジタル入力の共用端子を持つ。内蔵DACは24bit対応だ(サンプリング周波数は非公開)。Amazonの音楽ストリーミングサービスに加え、SpotifyやApple Music、TuneIn、dヒッツなどの再生も可能だ。
Echo Studioの発売は明日12月5日。合わせて、Amazon Music HDではドルビーアトモスと360 relality Audio対応音源の提供も開始する。その音源の一部がデモされたが、広がり感のある再生音と、パワフルな低域を感じ取ることができた。
なお、従来のEcho同様、Echo Studioもスマホアプリからグループ設定を組むことで、ステレオペアを構成したり、サブウーファー(Echo Sub)の追加が可能となっている。とはいえ、単体でも音の方向感を十分に感じれる点は見事だった。
また、Amazon Fire TV Stick 4Kなどと連携し、テレビで再生中の映画の音を迫力よく楽しむこともできる。加えて、アナログ/光デジタル兼用の入力端子を持つため、テレビ周りの音響を気軽にグレードアップするニーズにも対応しやすいだろう。サラウンドシステムはとかく大げさになりがちなので、ワンボディーで対応できるEcho Studioは、設置環境の都合でオーディオに妥協せざるを得なかった人にも有効な選択肢になると思う。
AlexaとEchoが音楽再生スタイルを変えた
アマゾンジャパン Alexa エクスペリエンス&デバイス事業部 リージョナルディレクター Alexa アジアパシフィックの大木聡氏は、Echo Studioを「昨年秋から販売を続けてきたEchoシリーズのオオトリ」として紹介。シリーズ最上位の製品として、特に音楽再生にこだわった製品である。
日本でEchoの販売が開始されてから、ほぼ2年が経過した。Echoシリーズ購入者の87%が音楽再生を利用し、再生時間は平均で週当たり5時間と長い(スマホアプリから再生する、Alexa Cast機能の再生時間を除く)。日々の生活の中に、音楽を取り込んでいる実態が分かる。
音楽によるライフスタイルの変化について大木氏は、第1にストリーミングサービス+Alexa(ボイス)による「新しい楽曲との出会い」、第2にAlexaを搭載した機器の拡充によって「様々なニーズに応えられる点」の影響が大きいとした。
声の操作では楽曲名やアーティスト名だけでなく「静かなジャズを掛けて」「パーティーに合う、盛り上がる ヒップホップを掛けて」などミックスした指定も可能だ。また、「この曲に似た曲を掛けて」など、知らない曲との出会いにつながる機能(ディスカバリー機能)も提供している。ストリーミングサービスは楽曲数が膨大であり、自由に新しい曲を聴ける。従来の音楽を聴く体験から、新しい曲に気付いたり、「明日の朝7時にクラシックで起こして」など生活に密着した使い方も可能だ。