サブスクリプション型でスモールスタート、小規模エッジ環境にも対応「EcoStruxure IT Expert」
シュナイダー、クラウド型のITインフラ監視ツールを国内提供開始
2019年11月07日 11時00分更新
シュナイダーエレクトリック(セキュアパワー事業部)は2019年11月7日、ITインフラの監視ソリューション「EcoStruxure(エコストラクチャー)IT Expert」を12月1日から国内販売開始すると発表した。DCIM(データセンターインフラ管理)機能をサブスクリプションモデルのクラウドサービスとして提供することで、これまでのように大規模なデータセンターだけでなく、小規模なサーバールームやエッジ環境にまで対象範囲を拡大している。
シュナイダーでは、ビルや工場/プラント、電力インフラ、そしてデータセンター/ITインフラに対し、共通プラットフォームを採用したEcoStruxureファミリーのソリューション群を提供している。今回のEcoStruxure IT Expertは、データセンター/ITインフラ向けのソリューション。これまでオンプレミス設置型で「StruxureWare(ストラクチャウェア)」を提供してきたが、今回はDCIM機能をクラウドサービスとして提供する。
EcoStruxure IT Expertにおいては、現場に設置されたシュナイダー(APC)製のUPSやPDU、サーバーラック用センサー、さらに業界標準プロトコル(Redfish、Modbus、SNMPなど)に対応したサードパーティ製品も含め、ネットワーク接続されたあらゆるITインフラ製品からデータを収集し、それぞれの稼働状況をダッシュボードで一元的に可視化、レポート化する。
また、IT Expertで収集したデータに高度な分析を適用し、プランニングやシミュレーション、リスク/影響分析などのインサイトを得られる「EcoStruxure IT Advisor」も提供する(発売予定は2020年上半期)。
さらに、24時間365日のITインフラ運用監視代行サービス「EcoStruxure Asset Advisor」も12月から提供開始する。これは、IT Expertを通じて収集した顧客ITインフラの稼働状況データを使って、シュナイダーのグローバル監視センターに常駐する専門エンジニアがリモート監視を行うサービスだ。機器部品の異常や不具合を検知した場合、顧客にアラートを伝えるだけでなく、シュナイダー側からプロアクティブに(能動的に)修理交換を行う保守契約を結ぶこともできる。
クラウドサービスとして提供されるため、小規模なITインフラにおいてスモールスタートできることも特徴だ。詳細なサービス利用料金は発表されていないが、監視対象デバイスは最小10台、契約期間は1年単位となっており、シュナイダーの説明によると「1デバイスあたりの年額は1万円を切るレベル」だという。
またクラウドにデータを収集する仕組みのため、多拠点に分散しているITインフラの監視にも有用だとしている。中小規模のサーバールームや店舗や工場などIT管理者のいない環境に分散配置されたITインフラなど、オンプレミス型のDCIMでは対応できなかった領域への適用拡大も考えられる。