このページの本文へ

ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第529回

HPの命運を変えた第一世代PA-RISCの誕生 業界に多大な影響を与えた現存メーカー

2019年09月23日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

PA-7100を象徴するコントローラーチップ
Viper

 PA-7100は、システムがおもしろい構成になっている。小規模なSMPに関しては、下図のように、Viperと呼ばれるメモリーコントローラーとI/Oコントローラーをまとめたものが用意され、このFSB(PBUS)に最大4つまでのPA-7100がつながるようになっていた。

PA-7100のシステム構成。ViperはPentium 4あたりまでの世代で言うところのNorthBridgeにあたる

 メモリーコントローラーもViperにつながる(72bit幅)形になっていた。ただより大規模なSMP向けには、下図のようにViperとは別のMIOC(Memory and I/O Controller)が用意された。

大規模なSMP向けに用意された、Viperとは別のMIOC

 MIOCとPA-7100が1:1でつながり、MIOCの下に出てくるVSC(Viper System Connect)なる64bit幅のインターコネクトで共有バス構造を作るという仕組みになっていた。

 このVSC、PA-7000世代では32bit幅だったがPA-7100では64bit幅に拡張され、HP 9000シリーズのハイエンド製品であるHP 9000/T500・T520では128bit幅のVSCが利用できたそうである。

 Viperチップそのものは64bit幅のVSCしかサポートせず、128it幅は専用のMIOCが利用される。これにより、PA-7000ベースのハイエンドであるHP 9000/890では最大4プロセッサーに限られたSMP構成が、PA-7100ベースのHP 9000/T500では最大12プロセッサー、PA-7150ベースのHP 9000/T520では14プロセッサー構成が可能であった。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン