FOCUSをHP 9000シリーズに実装
このFOCUSチップを搭載したマシンが、HP 9000シリーズの最初の製品であるHP 9000/520(HP 9020)である。
画像の出典は、HP Computer Museum
HP 9020は同社としては初の32bitワークステーションという位置づけであり、CRTディスプレーの解像度で3種類(12インチカラーで512×390ピクセルの9020A、12インチモノクロで560×455ピクセルの9020B、13インチカラーで560×455ピクセルの9020C)のラインナップが用意された。
9020Aで2万8250ドル、9020Cで3万9885ドルという結構な価格だが、フル装備(13インチカラーモニター、1MB DRAM、プリンター、BASIC/Pascal/Fortran、HP-UX)だと「たったの」6万5585ドルと「割安」だったそうだ。確かに相対的には割安かもしれないが、絶対金額としてどうよ? という気もする。
ちなみに上にも書いたがメモリーコントローラーは1個あたり256KBまでサポートしており、一方でDRAMカードは1枚あたり128KBなので、1MB DRAMということはDRAMカードが8枚、メモリーコントローラカードが4枚システムに差さっている計算になる。それは筐体も大きくなろうというものだ(より容量の大きなDRAMカードもあったらしいが詳細は不明)。
この9020をデスクトップタイプのケースではなく、19インチラックに納めたのがHP 9000/530(HP 9030)、床置きタイプケースにしたのがHP 9000/540(HP 9040)で、こちら1982年に発売されている。
HP 9000シリーズはまたSMP(Symmetric Multi Processor:対称型マルチプロセッシング)にも対応しており、最大3プロセッサーまで拡張可能になっていた。
1995年にはさらにコンパクトなシャーシに納めたHP 9000/550(HP 9050)もリリースされたが、どのシリーズも内部構造には違いがなく、オプションで用意される周辺機器が多少変わった程度でしかない。
OSはHPによるUNIX(HP-UX)のみが提供されたが、このHP-UXのカーネルがSUNOS(Sun Microsystemsが提供したSunOSとは別物)と呼ばれていたらしい。このSUNOSには以下の3種類があった。
| SUNOSの種類 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| SUN I OS | HP 9020でのみ動作し、仮想記憶なし、シングルユーザーで、BASIC用のカーネルが搭載されていた。 | |||||
| SUN II OS | UNIX System IIIとHP BASICをサポート、FOCUSを積むHP 9030/9040もサポート対象となったほか、マルチユーザー対応で仮想記憶のサポートが追加された。 | |||||
| SUN III OS | FOCUS以外にサードパーティーのメモリーボードをサポート、さらにHP 9050への対応も追加された。 | |||||
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第886回
PC
CFETの足を引っ張るPMOSを救え! imecが提案する新絶縁層と、あえて精度を緩める「Notch Alignment」の妙手 -
第885回
PC
TSMCも次世代「CFET」の全貌を披露! Forksheetスキップの背景と、世界最小6T SRAM実証で見えた2030年への布石 -
第884回
PC
Samsungが次世代CFETの試作に成功! IBMの10万ドル方式に対抗する、量産重視な「一括形成プロセス」のリアリティ -
第883回
PC
TSMCのA16プロセスの詳細が判明! 性能向上の主因はトランジスタではなく裏面電源供給(SPR)にあり? -
第882回
PC
IBMが0.7nmチップの製造に成功! 変態的CFET構造NanoStackの凄みと、あまりに高すぎる製造コストの壁 -
第881回
PC
同一周波数で消費電力18%削減! 進化した「Intel 18A-P」はどこが変わったのか? -
第880回
PC
次世代NVLinkの布石か? TSMCの光電融合技術「COUPE」がもたらすAIサーバーの光接続 -
第879回
PC
なぜAIには「光」が必要なのか? NVIDIAが解説するスケールアップネットワークの低遅延・省電力化戦略 -
第878回
PC
もはや銅配線は限界? 3200Gイーサネット実現に立ちはだかる200GT/秒の壁 -
第877回
PC
「不良品ゼロ」と「水冷NG」の狭間で。ルネサスが明かした車載チップレットSoCのリアル -
第876回
PC
このままではメモリーが燃える! HBM4/5世代に向けた電力供給の限界と、Samsungが示すパッケージ協調設計の解 - この連載の一覧へ











