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業界人の《ことば》から 第359回

AWSやAzureを上回る体制が整ったオラクルのクラウド

2019年09月06日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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データベースのシェアが今後の強みに

 エンタープライズを最も理解しているクラウドベンダーである日本オラクルが強みとするのが、「データドリブン」の提案だ。

 デジタルトランスフォーメーションといった切り口からみても、一から新規ビジネスを立ち上げるといった場合はともかく、データを活用して、新たなビジネスを立ち上げるといった場合や、既存システムの拡張から新たなビジネスを立ち上げるといったケースでは、データに強みを持つ日本オラクルは優位な立場にある。

 実際、日本オラクルのクラウドビジネスの80%が、既存の基幹システムをエンタープライズグレードのクラウドへと展開する商談であり、「日本オラクルにイノベーションを期待するときには、データの活用というキーワードが必ず出てくる」とする。

 また「データドリブン型のデジタルトランスフォーメーションは、派手さはないが、PoCだけで終わるということが少なく、現実に沿った議論ができる場合が多い。

 新たなビジネスを創出するためのデジタルトランスフォーメーションでは他社に対しての遅れはあるが、データドリブンでのデジタルトランスフォーメーションにおいて、価値を提供するという点では、決して遅れてはない」(日本オラクルの執行役員 クラウド事業戦略統括の竹爪慎治氏)とも語る。

 そこに、データベースで圧倒的なシェアを誇る日本オラクルの強みがあるといえよう。

 「これまでの日本でのデータベースでの顧客ベースを考えれば、今後、日本で最も大きなクラウドプロバイダーになるのは明らかである」と、オーバーマイヤー社長。

 同氏は2019年9月2日付で、取締役執行役社長の職は継続しながらも、CEOの肩書が外れ、日本とオーストラリアおよびニュージーランド地域のビジネスを統括。新たにケネス・ヨハンセン氏が日本オラクルの執行役CEOに就任して、新体制で事業を推進することを発表した。

 派手さはないが、地に足がついたデータドリブン型のデジタルトランスフォーメーションが、日本オラクルのクラウドビジネスの成長を下支えすることになる。

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