タレントマネジメントや連結人事など戦略的人材育成/活用を支援する機能も強化
生産性向上目指しUX刷新、「SuperStream-NX 人事給与」新版
2019年09月04日 07時00分更新
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)グループのスーパーストリームは2019年9月3日、同社ERPの人事給与業務向け製品最新版「SuperStream-NX Ver.2.20 人事給与ソリューション」を発表した。10月1日より提供を開始する。
同日の記者発表会には同社 代表取締役社長の角田聡志氏、取締役 企画開発本部長の山田誠氏が出席し、ユーザーエクスペリエンス(UX)の大幅な刷新やRPA連携による業務生産性の向上、社内/グループ内人材の詳細情報をわかりやすく検索/閲覧できるタレントマネジメントの機能、レポート/文書作成機能といった新版の強化点を紹介した。
SuperStream-NXは、2009年から提供されている会計/人事給与業務に特化した国産ERP製品。前身製品であるSuperStream-GL/SuperStream-COREから数えると24年間もの長い歴史を持ち、累計で9113社(2019年3月末時点)の導入実績を持つ。
今年6月には「SuperStream-NX 会計ソリューション」をVer.2にメジャーバージョンアップしたが、今回はそれに続いて人事給与ソリューションもVer.2へと刷新された。プラットフォームをVer.2に更新し、クライアント-サーバー型からWebアプリケーションへと進化している。ソフトウェア製品のほか、小規模企業向けにはスーパーストリームまたはパートナーが提供するクラウドサービスもある。
新版製品のコンセプトについて、山田氏は「労働生産性の向上」「セルフサービス」「タレントマネジメント」「グループ連結人事」という4つのキーワードを挙げた。日本企業の人事部門に話を聞くと、特に大きな課題となっているのは労働人口減少と業務要求レベル上昇に対応するための日常業務の効率化であり、これを実現して時間的な余裕を確保しなければ、より戦略的なタレントマネジメントなどの段階には進めないのが実情だと指摘する。
労働生産性の向上(業務効率化)については、国産製品ならではの使い勝手の良さを目指した。特に開発において注力したという「グリッド」と呼ばれる表形式の情報一覧画面では、行/列の入れ替えやソート、フィルタリング、項目の統合などが直感的に(Excelライクに)操作できるようになっている。この
またこのグリッド画面は、ワンクリックでExcelやPDF、CSVのファイルに出力できる。またピボット集計機能も備えており、こうした柔軟な機能を使うことで、レポート文書の作成も簡単に行える。なおWord文書への差込印刷機能も備える。
加えて、人事関連の諸届け(申請、情報照会/更新)を従業員自身で行えるセルフサービス機能やワークフロー/承認機能も提供し、人事部門の業務負担を軽減する。なお業務部門長向けには人材活用戦略の“武器”として、従業員の詳細な人材情報をセルフサービスで閲覧できる機能も提供する。
グループ連結人事については、グループ会社間で同製品をシェアードサービス(共有システム)とし、人材データベースを統合することでグループ全体での人材リソース最適化を可能にしている。山田氏は、人材確保が難しくなっている中では、グループ内でより有効に人材リソースを回していく必要があると説明する。
タレントマネジメントについては、OKR(目標と主要な結果)に基づき中長期的な視野に立って人材を育成していくために、各個人の現状(As-Is)と将来目標(To-Be)を含めた詳細情報を管理する機能を備えている。また、従業員どうしの情報比較を行う「タレントボックス」画面では、特定の行(従業員)を固定(ピックアップ)したままスクロールして閲覧できるなど、使い勝手を向上させる工夫を行っていると説明した。
なおスーパーストリームでは2018年7月に、SuperStream-NXの操作を自動化するRPAツール「オフィスロボット」をリリースしている。オフィスロボットでは、人事給与分野のルーチン業務に対応したSuperStream-NX 人事給与ソリューション向けのテンプレートをあらかじめ用意しており、これを利用することでさらなる業務効率化が実現すると紹介された。
SuperStream-NX 会計ソリューションのライセンス価格(税抜)は、人事管理(退職金管理含む)が200万円から、給与管理が200万円から、人事諸届・紹介が180万円から(いずれも最小管理対象人数300名の場合)。従来版ユーザーについてはバージョンアップで対応する。また、上述したRPAツールのオフィスロボットには別途ライセンスが必要。
同社 代表取締役社長の角田氏は、パッケージ版のSuperStream-NXでは100億~1000億円規模の中堅企業をメインターゲットとしているが、それよりも大規模な企業ではエンジンの提供、またそれよりも小規模な企業ではクラウドサービスの提供によりカバーしていると説明した。
「SuperStreamのミッションは『日本の会計・人事を変える。もっとやさしく、もっと便利に』というものだ。2021年末の累計導入社数1万社を目標としているが、これもすでに実現が近づいている」(角田氏)
また山田氏は、今回のリリースは製品刷新の“フェーズ1”であり、今後2020年にかけてさらにRPA対応の強化、従業員向けモジュールの拡充など段階的に機能強化を図っていくロードマップになっていると明かした。さらに将来的には「AIとロボット」がERPを操作する時代になっていくことが予想されるため、AI関連の研究開発も進めていると話している。