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業界人の《ことば》から第358回

ガン治療にクラウドの活用が必須になってきた

2019年09月03日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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オンプレミスでは限界

 日本におけるガン死亡者は、年間で約37万3000人に達しており、日本人の死因の約3割はガンだ。また、日本人の2人に1人がガンにかかるというデータのほか、年間100万人が新たにガンにかかっており、年間出生数に匹敵する規模というデータもある。

 西村社長は「テクノロジーを活用して社会課題を解決したいと考えている。その解決したい課題がガンである」とし、「ガンゲノム医療は、遺伝子を見ることによって、個人ごとや、ガンの種類にあわせた精密医療が可能になり、ガン治療やガン予防に貢献する。その実現に貢献していきたい」と語る。個人に最適化したパーソナル医療の実現も促進することになる。

 実際、悪性のガンと診断された患者が、ゲノム情報を活用することで、良性のガンであることがわかり、摘出せずに、薬剤で治療をするといった事例も出ている。

 「ガンゲノム医療で使用する遺伝子情報は、1人あたり数十GB。蓄積された大量のデータをもとに解析すれば、どこが悪いかがわかり、それを治すことができる。これは、製造業などで利用されているIoTと同じようなもの。センサーから情報を集めて、それを分析して、予兆保守を行ったり、課題抽出をしたりといったことができる。そのため、ガンゲノム医療を『医療のIoT』と呼ぶ人もいる」という。

 一方で、より大量のデータを蓄積したり、迅速に最新知識を活用したりしながら解析するには、クラウドの活用が必須だ。しかし、日本の医療分野では、オンプレミスとクローズドネットワーク環境が一般的となっている。

 「たとえば、昨日の段階で、欧州のある国で新薬の使用が認可されたという情報がデータベースに反映されていたかどうかが、診断結果や治療方針を変えることにもつながる。まさに、人の生命にかかわる部分。こうした動きに対応できないオンプレミスでは限界がある」(テンクーの鈴木協一郎取締役)とも指摘する。

 「これは、今後の日本の医療分野における課題になる。東大病院で取り組んでいるTodai OncoPanelでの実績などを通じて、ガンゲノム医療の活用におけるクラウド導入の提案にも力を注ぐ」(テンクーの西村社長)とする。

 Chrovisが、日本の医療分野におけるクラウド化促進のひとつのきっかけになるか。

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