Thunderbolt 3コントローラーは
Comet Lakeには内蔵されない?
ちなみに第10世代CoreにComet Lakeを追加というニュース記事でジサトライッペイ氏はThunderbolt 3も統合されていると説明しているが、これは間違いではないかという気がする。
というのは、確かに記事内のスライドを見ると400シリーズチップセットからThunderbolt 3が出ているように見えるのだが、スペック比較表では、Ice Lakeには“Integrated, Up to 4 Thunderbolt 3 ports”とあるのに、Comet Lakeでは“Integrated”が省かれているからだ。
おそらくは、「外付けでThunderbolt 3コントローラーを搭載することをサポートする」の意味と思われる。連載514回でも指摘しているが、Thunderbolt 3のコントローラーはけっこう大きい。
Sunny Coveコア1個分より大きく、ほぼ1.5コア分近くある。これをチップセットに入れる(=14nm++プロセスで製造する)ということは、Coffee Lakeコアベースで2コア分くらいの面積をそれだけで食ってしまうことになる。これはさすがに400シリーズチップセットには入りきらないだろう。
ということで、ここまでの特長でおわかりのように、Comet Lakeは事実上Coffee Lake Refreshとでもいうべきものになる模様だ。
もっともデスクトップ向けの8コアCoffee LakeがそもそもCoffee Lake Refreshであり、Comet Lakeはコアを増やさずに機能を増やす方向に行ったので、Coffee Lake Refresh Version 2とでも呼ぶべきなのかもしれない。どちらにしても基本はCoffee Lakeの延長にあると思われる。
こうなるとデスクトップ向けのComet Lakeも、基本はコア数を増やすのと、対応メモリーの強化(DDR4-3200の公式サポート?)、それとIntel Adaptix Technologyの搭載程度が主な違いで、400シリーズチップセットもWi-Fi 6の搭載以外は大きな差はないだろう。
連載514回でComet Lakeについて「この世代は最大10コアになるが、その代わりハイパースレッディングが無効化される」と書いたが、現にComet Lakeがハイパースレッディングを有効にして出荷されているので、このあたりは方針の変更があったのかもしれない。
一応構成は少し見えてきた感はあるが、これで第3世代のRyzenと戦うのはかなり厳しいだろうなぁ、というのが筆者の偽らざる感想である。
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