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LPジャケットの大きさはやっぱりインパクト抜群

でかっ!! レコードで聴くアニソンってどうなの!? いろんなアルバムを聴いてみた

2019年08月15日 15時00分更新

文● ASCII コメント●鳥居一豊、高橋敦、野村ケンジ

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ボーカルの魅力が感じられてこそのアニソン
だからレコードとの相性がいい

 「キャロル&チューズデイ」の「Hold Me Now」を聴き比べたが、なによりもよく分かるのは、ボーカルの再現。声の強弱のニュアンスや芯の通ったエネルギーの強さがより豊かに出て、声がより生き生きとした感触で楽しめました。

Image from Amazon.co.jp
Kiss Me/Hold Me Now(アナログ盤) [Analog]

 野村さんのシステムが出音の反応が高く、エネルギー感も鮮やかに描くこともあり、ふたりの声の弾むような歌い方やメロディーの美しさ、ハーモニーの調和のとれた響きが豊かに感じられました。ハイレゾ音源も声の質感やバックの楽器のディテールなど細やかな情報が豊富で、オーディオ的には優れているとわかるのですが、音がギュッと凝縮されたような密度感とその場に居るような実体感が特にボーカル曲ではたまらない魅力になると感じました。

 アニメソングは、キャラクターソングなど、多彩なボーカルを楽しむ面がありますから、ボーカルをよりリアルに感じられるアナログ再生は相性が良いと改めて感じますね。

アニソン好きに向けて、レコードの魅力を語るなら

 CDはもちろん、BDやDVDよりも大きなジャケット。そこに作品の描き下ろしのイラストが入ったジャケット写真は、それだけでコレクションとしての価値があると思います。僕も中古レコード店で、名作のサントラ盤などを探すときは盤質よりもジャケットの破損がないことを重視してしまうほど。ポスターのように壁に飾っても格好が良いと思います。

音質的には、ギュッと中身の詰まった感触になること、中音のエネルギーに厚みがあるだけではなく、低音から高音まで一体となった感じの音としてのエネルギー感がある。だから、ボーカルがより響くし、名作アニメには必ずある名曲のフレーズもドラマティックに鳴ります。作品で感じる情感がダイレクトに伝わる感じがあります。

 これは、ハイレゾも含めたデジタル音源の情報量豊かだけど一歩引いた感じとは大きく違う部分だと思います。それだけに、主題歌とか好きな楽曲を1曲だけ、思い切り集中して聴くと楽しい。レコード盤に針を落として、じっくり聴き込む。楽曲の良さ、作品の面白さがたっぷり味わえます。こんな聴き方も楽しいと思います。

 オーディオマニア的には、アナログ再生は「何をやっても音が変わる」というのが面白いところです。置き方や電源の取り方では、きちんと行わないとノイズが出てしまう。レコードのセッティングだって、針圧調整やカートリッジの高さ調整などなど、教科書的に「アレをしろ、コレはだめ!」とやっていると息苦しくてつまらなくなってしまいますが、一度きちんと調整してみると明らかに音が良くなったとわかります。

 また、オーディオマニアがよくやる、電源コードや接続コードのグレードアップも覿面に効果が出るのでわかりやすいです。カートリッジの違いや置き台による違いなど、すべて音に違いが現れます。このあたりを、いろいろと実験してみる感じで、あえてダメなこともやってみるとか、いろいろ試すと面白いと思います。

 ただし、必ず音は変わりますが、良くなるとは限りません。こうした違いを聴き分けて、自分の好みに合うものを選んでいくと、自分だけの音に仕上がって行きます。そこがアナログレコードの醍醐味ですね。

鳥居一豊

 オーディオ専門誌の編集者を経て、フリーのオーディオライターとして活躍。初めて買ったレコードは「幻魔大戦」のサントラ盤。アニメ作品に限らずサントラ盤を聴くことが多いのは今も変わらず。アナログレコード、FM放送のエアチェック、カセットテープへの録音・再生など、アナログオーディオを一通り楽しんでいたが、レーザーディスクからDVDの時代に登場したデジタル・ディスクリート・サラウンド方式に出会い、自宅のシステムをサラウンド再生を主体とした構成に変更。現在の自宅では、ドルビーアトモス対応の6.2.4ch構成のシステムとしている。

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