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業界人の《ことば》から 第353回

日本マイクロソフトが異例の週休3日制導入をした狙いとは

2019年07月26日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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どう働くか考えてもらうための休み

 平野社長は「今年の夏のキーワードは、『短い時間で働き、よく休み、よく学ぶ』である。夏の期間の限定であるが、今年の夏は、日本マイクロソフトの社員には短い時間でよく働いて、よく休み、よく学んでほしい」と語る。

 実は、この週休3日のアイデアは平野社長の発案によるものだという。だが、平野社長は週休3日という制度を実施することが目的ではないとも語る。

 「社員からすれば、心境はさまざまだろう。週一日休みが増えたことで喜ぶ社員もいれば、勤務時間以外で働かなくてはならないのではと不安に思う人もいるはずだ」としながらも、「1週間のうち、20%の勤務時間がなくなる。それをどうカバーするか。これまでと同じ仕事の仕方をしていては、同じアウトプットが出せない。これまでとは違う働き方をするために、アイデアを出して、工夫をしなければ、成り立たない。週4日間の仕事の仕方をどうするか。それを考えることが大切である」と指摘する。

 これまで、5人が参加していた会議を4人にすれば、それで20%の工数削減になる。だが、4人の会議で5人が出席した会議と同じ生産性を維持するためにはどうするか、会議に出ない1人は、どんな仕事をすることで生産性や創造性を高めることができるのか。そうしたことまで考えていこうというわけだ。

 「週休3日間を一部の社員だけで実験的に行なうのではなく、極端な環境を作って、社員全員で考える。まずは形から入っていく。もし、8月の期間で実証できた新たな仕事の仕方が、9月以降も使えるのならば、それだけで生産性を高めることができる」とする。

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