トヨタGRスープラ試乗レポート
新型スープラは軽快さとエンジンの気持ち良さで勝負!
2019年06月08日 16時00分更新
世界最高峰のスポーツカーを目指した意欲的な内容
5月17日、トヨタは新型GRスープラの発売を開始した。なんと、日本での発売は17年ぶり。旧来のスープラのファンだけでなく、スポーツカー・ファン全体としても注目のモデルだ。その新型の特徴をざっと挙げると、次のようになる。
- トヨタの「GR」ブランドの最初のグローバル戦略車
- BMWとトヨタの共同開発車
- 直列6気筒エンジンを搭載している
- ホイールベースが非常に短い
新型モデルは、名称に“GR”とあるように、トヨタのスポーツカーブランド「GR」のクルマとして世界で発売されている。トヨタは、これまでGRの名前を使って、さまざまなモータースポーツ・カテゴリーに参戦してきた。そのイメージを商品に落とし込むのが、GRブランドの量産車であり、その先鞭となるのがGRスープラと言える。
そして、トヨタは「GRスープラは、GRブランドの最初のモデル」という。つまりは、GRスープラに続く、2台目、3台目のモデルが登場することを示唆する。これからも、トヨタの量産スポーツカーが定期的にデビューするというのは、スポーツカー・ファンとしてはうれしい予告だ。
BMWとの提携は、非常に驚くべきニュースであった。ただし、地球環境を守るために燃費規制の強化はまったなし。スポーツカーは、どんどんと作りづらく、売りにくくなる。そうした中、トヨタ一社でスポーツカーを作るのは、トヨタという企業文化では難しかったのだろう。トヨタ86/スバルBRZのような体制で、GRスープラが生まれることになった。それが、トヨタGRスープラとBMW Z4だ。
ただし、ほとんどの部品を共有化した86/BRZと違い、GRスープラとZ4は、内外装の部品の9割が異なっているという。エンジンやプラットフォームという中身は共有するが、デザインや走り味のチューニングは干渉なく、それぞれ独自に開発したという。ちなみに生産は、オーストリアのマグナ・シュタイヤー社が受け持つ。これまでメルセデス・ベンツのGクラスなど、数多くのメーカーの生産委託をこなしてきた会社だ。そのためGRスープラは輸入車となる。
BMWとトヨタの直列6気筒エンジンへのこだわり
新型スポーツカーの開発にBMWと組んだということで、エンジンには当然のように直列6気筒が採用された。BMWは他と違って、直列6気筒エンジンを作り続けてきたほとんど唯一のメーカーだ。また、「スープラと言えば、直列6気筒エンジン!」というファンの声も根強かったという。とはいえ、GRスープラには4気筒エンジンモデルも用意されている。わざわざ、用意したということは、4気筒にも存在意義があるということだ。
そして、最後の特徴が“超ショートホイールベース”であること。なんと、GRスープラのホイールベースは、トヨタ86より10cmも短い。トレッドは、グレードによって5~9㎝の違いはあるものの、当然、GRスープラの方が大きい。そして、ホイールベースとトレッドの比率が、GRスープラほどワイド&ショートになっているクルマは、ほとんど存在しない。ホイールベースを短くすれば、俊敏に動けるようになるが、一方で高速走行時の安定性が悪化するし、コーナリングもナーバスになる。そのため、極端なショートホイールベースは避けられていたのだ。
しかし、GRスープラではあえて超ショートホイールベースが採用された。その最大の理由は“ライバルに勝るため”であった。そのライバルとは、ポルシェのボクスター/ケイマン。ミッドサイズのスポーツカーとしては世界最高峰の評価と、セールスという確かな実績を積んだモデルだ。その巨人に立ち向かうために、超ショートホイールベースで戦おうというわけだ。
ただ、トヨタもBMWもバカではない。安定性を放棄したのではなく、最新の技術で克服したのだ。それがアクティブディファレンシャルの採用だ。後輪のデフに仕込んだ多板クラッチを電子制御することで、後輪左右のロック率を0~100の範囲で連続的、かつ瞬時に変化させる。もちろん、横滑り防止のVSCとも連携する。これにより、高速走行時やブレーキング時の安定性、加速時のトラクション性の良さ、きついコーナーでの回頭性の良さといった、本来は相反する特性を両立させる。
基本特性を俊敏に設定し、電子制御で安定させるという手法だ。実際に机上の空論ではないことを確かめるため、旧型BMWのボディーを切った貼ったして、実際にGRスープラと同様のサイズ/重心の開発車を製作し、サーキットなどを走らせたという。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第627回
自動車
テスラ「モデルY」vs VW「ID.4」 EV王者に挑む伝統のドイツ車、選ぶべきはどっち? -
第626回
自動車
あのジムニーがファミリーカーに!? 「ジムニーノマド」に乗って実感した3つの良いところ -
第625回
自動車
【燃費テスト】マツダ「CX-60」ディーゼルで東京~大分1200km無給油チャレンジ! 結果は意外な結末に -
第624回
自動車
俺たちはこういうホンダを待っていた! 軽EVベースの痛快ホットハッチ「Super-ONE」が楽しすぎた -
第623回
自動車
商用バンが激変! 予算15万円から始める「プロボックス」のアウトドア仕様カスタム -
第622回
自動車
1000km走破で実証! メルセデス「E220d」のディーゼルは“圧倒的な疲労感のなさ”と“超低燃費”だった -
第621回
自動車
予算700万円台からの輸入セダン選び。BMW「3シリーズ」がメルセデス「Cクラス」より“運転が楽しい”理由 -
第620回
自動車
普段使いのエブリイか、積載特化のハイゼットか? 人気軽バン2台を乗り比べてわかった決定的な違い -
第619回
自動車
補助金で実質344万円から!? 3代目「日産リーフ」は広さも走りも別格の完成度 -
第618回
自動車
安くてもちゃんとベンツ? 豪華装備付きで588万円の「A200d」に乗ってわかった妥協なき重厚感 -
第617回
自動車
BMWのコンパクトセダン「2シリーズ グランクーペ」が日本の道でマジでイイ5つの理由 - この連載の一覧へ












