企業の不用品を簡単に出品できるフリマアプリ「ReSACO」
「ガチっとスタートアップ」は、ガチ鈴木が日々の取材で見つけたスタートアップの中から、個人的にググッときたサービス、プロダクトを紹介するコーナーである。
「ReSACO」(リサコ)は、「すてる」をなくす、企業向けフリマサービスだ。金属スクラップ、プラスチックのリサイクル、産廃物の処理などを手がける東港金属のグループ会社であり、サーキュラー・エコノミーの実現を目指すトライシクルが運営している。
企業の使わなくなったモノを最適な方法と価格で売り、そのモノを最適な形で必要な人に提供するマッチング機能と、資源リサイクル&廃棄物処理を効率化、最適化する機能を持った、B2Bサーキュラー・エコノミー対応プラットフォームだ。ウェブ版、およびiOS/Android版にて提供している。
仲介業者を介さず、売りたい企業と買いたい企業がReSACO上で直接取り引きできるため、中間マージンが発生せずお得な取り引きを可能としている。販売方式は、出品者が売却希望価格を提示する「フリマ」、価格だけでなく、取り引き条件などを含めて出品者が購入者を検討、指名できる「コンペ」、優良買い取り業者がすぐに買い取れる価格を掲示する「クイック」の3種を用意している。
また、スマホアプリで写真を撮るだけで、AIが参考価格を算出可能。市場化価格を調べる手間を省くことができる。価格だけでなく、出品物のカテゴリー名やタグ付けもされ、簡単に出品可能だ。
さらに、全国の資源買取企業や産業廃棄物企業と提携。売れない中古品を資源としての買い取り、もしくは産業廃棄物として処分する手続きもできる。
なお決済方式は、買い手から代金を受け取ってから商品を受け渡し、受け取った商品をきちんと確認してから売り手に代金を支払う「エスクロー決済」を採用。安心・安全を取り引きを実現している。
従来、企業が不要になったものを手放す方法として、リサイクル業者に買い取ってもらう、産廃業者に引き取ってもらう、粗大ゴミに出すなどが挙げられる。しかし、想像以上の時間や費用がかかってしまったり、複雑な法体系やどう処理するのがベストなのか判断することが難しく、対応が煩雑になってしまうことが多くあった。
ReSACOは、これら企業の悩みを解消するとともに、同社のビジョンでもあるサーキュラー・ エコノミーの実現に向けて、資源の無駄をなくす流れを作るプラットフォームだとしている。B2B版のメルカリともいえるサービスで、プラットフォーム化に向けてはまだまだ機能の調整や拡大は必須となってくるが、業界の現状をよく知る東港金属が立ち上げたIT企業ということで、既存のスタートアップと違う文脈がおもしろい企業だ。今後、いま課題解決に向けて、目の前の課題に向き合う企業が自らIT化してサービスを立ち上げることが増えていってほしいと感じる。